IT資格の種類一覧とおすすめを紹介!難易度や選び方も解説します

IT資格にはどのような種類がある?IT資格を取るメリットは?など、IT資格に関してさまざまな疑問を持っている人も多いでしょう。
サイバーセキュリティやAIの活用、またはネットワークやパソコンスキルなどに興味を持つ人も少なくありません。ITに関連するビジネスは今度も広く展開され、資格を持つメリットも多いと考えられます。
ITの資格にはどのようなものがあるか紹介します。初心者向けから上級者向けまで、15の資格を取り上げ紹介します。IT資格の選び方や学習方法についてもお伝えしますので、参考になさってください。
IT資格は難易度の高い資格も多い
IT関連の資格はシステム・プログラム開発、ネットワーク、ソフトウェア、セキュリティなど種類も豊富です。主な資格の種類と資格を取ることで証明できる知識やスキルについてまとめてみました。
資格の種類 | 証明できる知識やスキル |
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ITパスポート試験 | ITの基本、情報処理に関する幅広い知識。情報処理の入門資格 |
情報セキュリティマネジメント試験 | ITを安全に利用するための情報セキュリティに関する基本的な知識やスキル |
基本情報技術者試験(FE) | IT関連のサービスや製品、システム、ソフトウェア、プログラムなどをつくる知識やスキル。ITエンジニアとしてのスタートにおすすめの資格 |
応用情報技術者試験 | 経営戦略や運用、管理などのスキル。ITエンジニアとしてレベルアップできる |
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS) | Word、Excel、PowerPointのスキル。一般レベルと上級レベルがある。認定資格は世界共通 |
ITトラテジスト試験 | ITを活用した経営戦略のスキル。ITコンサルタントやCIO、CTOなどの役割を果たせる。難易度の高い資格 |
システムアーキテクト(SA)試験 | ITシステムの設計と開発(構造やアーキテクチャ)を設計するスキル。基本情報技術者試験、応用情報技術者試験より上位に位置する資格 |
システム監査技術者試験 | 情報システムなどを総合的に評価し監査役として適した改善提案などを行うスキル |
ITサービスマネージャ試験 | ITサービス全般を把握しマネジメントできる |
インターネット検定 ドットコムマスター | インターネットの基礎的な知識、またICTの実践的な知識やスキル。NTTコミュニケーションズの認定資格制度 |
ウェブデザイン技能検定 | Webデザインの基本的な知識やスキル、実践スキル、Webサイト運営ができる知識やスキル |
パソコン整備士検定 | パソコンのハードウェアやソフトウェア、OS、ネットワーク、セキュリティや情報倫理に関する知識、またシステムの運用や管理などができるスキル |
AI検定 | AIに関する基礎知識、業務でAIを活かせる知識 |
情報処理安全確保支援士(登録セキスペ) | 情報セキュリティに関する幅広い知識やスキル。高度な専門的知識やスキルで、セキュリティに関する業務のサポートや組織の資産を守れる。難易度の高い資格 |
ネットワークスペシャリスト(NW) | ネットワーク技術やネットワークシステムを活用するサービスに関する高いスキル |
ITパスポート試験は情報処理の入門資格
ITパスポート試験は、ITの基本的な知識や技術を得ていることを証明する国家資格です。資格取得の勉強をすることで、情報処理に関する幅広い知識を身につけられます。
ITパスポートの勉強をすることで、情報システムやデータベース、ネットワークなどのほか、情報セキュリティやモラル、知的財産権、商標権侵害などの法律、経営や財務など、ITを正しく利用するための知識も得ることが可能です。
試験は以下の3分野から出題されます。
ストラテジ系(経営全般) | 企業と法務、経営戦略、システム戦略 |
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マネジメント系(IT管理) | 開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント |
テクノロジ系(IT技術) | 基礎理論、コンピュータシステム、技術要素 |
ITに関わる人はもちろん、特に一般職でも身につけておきたい基本的なIT力が身につくでしょう。
受験方法 | 独立行政法人 情報処理推進機構のITパスポート試験に申し込む |
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合格率・難易度 | 49.2%(令和7年2月度) |
受験手数料(税込) | 7,500円 |
学習時間の目安 | 100時間~180時間 |
おすすめの人や特徴 |
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情報セキュリティマネジメント試験はITを安全に利用するための知識やスキルを評価
情報セキュリティマネジメント試験は、ITを安全に利用するための情報セキュリティに関する基本的な知識やスキルがあることを評価する試験です。
情報漏えいを防いだり、被害を最小限にする対策ができたりする情報セキュリティマネジメントは重要です。資格を取ることで、個人情報を適切に管理すること、外部からの脅威から会社を守ることなど、セキュリティに関する立案や管理のスキルを証明できます。
主な出題分野は以下の通りです。
情報セキュリティ全般 | 機密性や完全性、可用性、脆弱性、サイバー攻撃手法、など |
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情報セキュリティ管理 | 情報資産、リスク、ISMS、など |
情報セキュリティ対策 | マルウェア対策、情報漏えい対策、不正アクセス対策、など |
情報セキュリティ関連法規 | サイバーセキュリティ基本法、個人情報保護法、など |
テクノロジ | ネットワーク、データベース、など |
マネジメント | システム監査、サービスマネジメント、など |
ストラテジ | 経営管理、システム戦略、など |
ITによる管理のほか、人による管理についての重要性を認識すると同時に、対策や取り組みをどのようにしていくかという点を学ぶことができます。
セキュリティに関する業務が重要視されている中、資格を持っていれば高く評価されるでしょう。
受験方法 | 独立行政法人 情報処理推進機構の情報セキュリティマネジメント試験に申し込む |
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合格率・難易度 | 69.2%(令和6年度) |
受験手数料(税込) | 7,500円 |
学習時間の目安 | 200時間程度 |
おすすめの人や特徴 |
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基本情報技術者試験(FE)はシステムエンジニアやプログラマーの定番とされる資格
IT関連のサービスや製品、システム、ソフトウェア、プログラムなどをつくる知識やスキルを評価する試験です。 ITエンジニアの登竜門とも呼ばれる資格で、システムエンジニアやプログラマーなどを目指すなら取得しておきたい国家資格です。
ITエンジニアとしてキャリアをスタートするには、まず基本情報技術者試験から受験することをお勧めします。しっかりとした基礎を身に付けることにより、その後の応用力の幅が格段に広がります。
「基本」とついてはいるものの、易しい試験ではありません。テクノロジ系だけでなくマネジメント系からの出題もあるので、幅広い知識の習得が必要です。
受験方法 | 独立行政法人 情報処理推進機構の基本情報技術者試験に申し込む |
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合格率・難易度 | 41.2%(令和6年度) |
受験手数料(税込) | 7,500円 |
学習時間の目安 | 100時間~200時間 |
おすすめの人や特徴 |
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応用情報技術者試験はITエンジニアとしてより高いレベルを目指す人におおすすめ
ITエンジニアとしてのレベルアップを目指せる国家資格です。IT関連のサービスや製品、システムやソフトウェア製作に関する知識やスキルはもちろん、経営戦略や運用、IT基盤構築などにおいて、応用力を活かしたシステム開発ができることを証明できます。
応用情報技術者には、経営者の意図や要望を把握し、調査や分析、ITを活用した経営戦略を提案できるスキルや、運用、予算や品質管理、情報システムやネットワーク、データベース、組み込みシステムなどの設計や運用において、問題を解決できるスキルなどが求められます。
ITエンジニアとして5年前後の経験があるなら、受けてみるとよいでしょう。
受験方法 | 独立行政法人 情報処理推進機構の応用情報技術者試験に申し込む |
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合格率・難易度 | 23.6%(令和6年度) |
受験手数料(税込) | 7,500円 |
学習時間の目安 | 200時間~500時間 |
おすすめの人や特徴 |
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MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)はパソコンスキルを客観的に証明できる資格
Word、Excel、PowerPointといったマイクロソフト製品ツールの知識やスキルを評価する資格です。 IT分野だけでなく、事務職や営業職などさまざまな分野で活用できるスキルを身につけられます。
パソコンスキルの証明になるため、就職や転職においても有利。MOSの資格の勉強をすることで、ツールの多彩な機能を知り、仕事に活かせるでしょう。自身のパソコンスキルのレベルアップにもつながります。
試験科目は以下の通りです。
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Access
- Outlook
WordとExcel一般レベルと上級レベル(エキスパート)があります。
受験方法 | オデッセイコミュニケーションズのマイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)試験に申し込む |
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合格率・難易度 | 一般レベル:80%程度、上級レベル:60%程度 |
受験手数料(税込) | Word・Excel・PowerPoint:(一般レベル)10,780円、(上級レベル)12,980円 ※学割あり。2025年5月1日から受験料改定 |
学習時間の目安 | 約80時間 |
おすすめの人や特徴 |
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ITトラテジスト試験は経営戦略のスキルを証明できる資格
情報処理技術者試験の一つで、ITを活用した企業の経営戦略の提案・推進していくスキルを証明できる国家資格です。資格を取得できれば、経営マネジメントスキルを身につけられます。
業務改革や事業の推進を成功させる経営戦略を策定するITコンサルタントや、CIOなどを目指す人におすすめです。難易度の高い資格ですが、その分転職にも有利となるでしょう。
試験には論文もあるため対策をしておく必要があります。
受験方法 | 独立行政法人 情報処理推進機構のITトラテジスト試験に申し込む |
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合格率・難易度 | 15.5%(令和5年度) |
受験手数料(税込) | 7,500円 |
学習時間の目安 | 150時間~200時間 |
おすすめの人や特徴 |
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システムアーキテクト(SA)試験はシステムエンジニアの高度なスキルを証明できる
ITシステムの構造やアーキテクチャ(構成)を設計するスキルを証明できる国家資格です。資格を取得することで、ITシステム設計の上流工程を担当する高度な知識やスキルを身につけられます。
基本情報技術者試験、応用情報技術者試験より高い知識とスキルを証明できる難易度の高い資格です。そのため、企業から高く評価されやすく、転職にも有利です。
受験方法 | 独立行政法人 情報処理推進機構のシステムアーキテクト試験に申し込む |
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合格率・難易度 | 15.8%(令和5年度) |
受験手数料(税込) | 7,500円 |
学習時間の目安 | 100時間~300時間 |
おすすめの人や特徴 |
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システム監査技術者試験は第三者の視点から評価・サポートできるスキルを証明できる
独立した立場から情報システムなどを総合的に評価し、サポートするスキルを証明できる国家資格です。情報システムや組み込みシステムが適切に活用されているかをチェックする専門知識を持ち、問題点を分析・評価します。
システム監査技術者は、システム設計やデータベース管理、セキュリティ対策などに関する深く、幅広い知識が必要です。監査役として適した改善提案などを行い、スムーズに情報システムが活用されるためのサポート力が求められます。
情報システムのトラブルを回避、また適切に改善するスキルを持つ人材を求める企業は多く、難易度の高い資格で、転職にも有利です。
受験方法 | 独立行政法人 情報処理推進機構のシステム監査技術者試験に申し込む |
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合格率・難易度 | 16.4%(令和5年度) |
受験手数料(税込) | 7,500円 |
学習時間の目安 | 100時間~300時間 |
おすすめの人や特徴 |
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ITサービスマネージャ試験に合格すればITサービス全般を把握しマネジメントできるスキルが身につく
ITサービス全般の適切な稼働を把握・管理するのはITサービスマネージャです。トラブルが生じた場合は速やかに対処したり、問題点を改善したりして、ITサービスを順調に稼働させる役割があります。
ITサービスマネージャの資格があれば、サービスマネジメントシステムの予算、企画、運営、評価、さらにリスクマネジメントができることを証明できます。
ITサービス全般の知識やスキル、またマネジメント能力が求められる資格で、難易度は高いです。その分、転職には有利と言えるでしょう。
受験方法 | 独立行政法人 情報処理推進機構のITサービスマネージャ試験に申し込む |
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合格率・難易度 | 15.2%(令和5年) |
受験手数料(税込) | 7,500円 |
学習時間の目安 | 100時間~150時間 |
おすすめの人や特徴 |
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インターネット検定 ドットコムマスターはNTTコミュニケーションズが実施するICTスキルを証明する資格
インターネット検定 ドットコムマスターはNTTコミュニケーションズが認定するICTスキルを証明する資格です。
資格には次の2種類があります。
種類 | 身につく知識やスキル |
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ドットコムマスター・BASIC | インターネットの基礎知識(セキュリティやマナーなども含む) |
ドットコムマスター・ADVANCE | インターネットの実践に活用できるスキル(接続や設定、セキュリティ、トラブルの対処法、法律関連などICTの実践的なスキル) |
インターネット協会、日本インターネットプロバイダー協会などから、正式に推奨されている資格制度です。ICTの基礎的な知識やスキルだけでなく、安全に使うための知識も身につきます。
受検方法 | NTTコミュニケーションズのインターネット検定 ドットコムマスターに申し込む |
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合格率・難易度 |
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受検手数料(税込) |
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学習時間の目安 | 40時間~80時間 |
おすすめの人や特徴 |
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ウェブデザイン技能検定はWebデザインやサイトの運営ができるスキルを証明できる国家検定
ウェブデザイン技能検定は、ウェブデザインの知識や実務に関するスキルを証明できる資格です。
2級、3級合格者は特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会から、1級合格者は厚生労働大臣からウェブデザイン技能士の合格証書がもらえます。
Web業界において唯一の国家検定であり、Webデザイナーとしてのスキルを客観的に証明できます。Webデザイナーとして就職や転職を有利にしたい人や、Webサイトの運営の仕事をしたい人にすすめです。
ただし、就職や転職を有利にするには、2級以上を取得しておきましょう。
受検方法 | 特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会のウェブデザイン技能検定に申し込む |
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合格率・難易度 |
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受検手数料(非課税) |
※3級の実技試験は23歳未満の場合減免(在職者:4,000円、在職者以外:6,000円) |
学習時間の目安 | 30時間程度 |
おすすめの人や特徴 |
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パソコン整備士検定はコンピュータの基礎を習得できる
パソコン整備士検定は、パソコンのハードウェアやソフトウェア、OS、ネットワーク、さらにセキュリティや情報倫理に関する知識を証明できる資格です。
検定レベルは次の3段階に分かれています。
3級 | ITの基礎を習得し、家庭や職場でパソコンを使える |
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2級 | パソコンの修理やネットワークの知識、ネットワークシステムの基本を習得している |
1級 | IT基盤エンジニアとして企業のIT化の責任者やシステムの運用や管理ができる |
資格を取得することで、カスタマーサポートエンジニアもしくは企業内でのSEとして、パソコンの修理やシステムトラブルの修理などをしたり、CADオペレーターやDTPオペレーターとして活躍したりすることが可能です。また、家電量販店やIT機器の営業・販売としても活躍できます。
受検方法 | 特定非営利活動法人 IT整備士協会のパソコン整備士検定に申し込む |
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合格率・難易度 | 合格基準は1級が正答率80%以上、2級・3級が70%以上 |
受検手数料(税込) | 6,600円 |
学習時間の目安 | 30~60時間程度 |
おすすめの人や特徴 |
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AI検定は人工知能に関する基礎知識や課題のほか活用事例など幅広い知識を身につけられる
人工知能とは何か?深層学習や機械学習とは?など、AIに関する基礎知識を習得し、業務でAIを活かせることを証明できる資格です。
社会やビジネスでAIどのように活用されているか、今後の問題や将来性、深層学習の定義や方法、知的財産の保護など、AIに関する幅広い知識を得ることができます。
AI検定はトレンド資格としても人気があります。ビジネスにおけるAIの活用も珍しくはありません。AIに関する知識を持つことで、業務の幅が広がったり、今後のビジネス展開に役立てたりすることもできるでしょう。
受検方法 | サーティファイ 情報処理能力認定委員会のAI検定に申し込む |
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合格率・難易度 | 72.1%(2023年度平均) |
受検手数料(税込) | 4,600円 |
学習時間の目安 | AI検定対策の講座を2~3ヵ月受講 |
おすすめの人や特徴 | AIに関する基本的なことや課題、活用方法について理解したい人におすすめ |
情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)はサイバーセキュリティ対策をサポートできる専門知識を得られる
情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)は、情報セキュリティを管理するにあたり、情報セキュリティに関する専門知識やスキルを証明できる国家資格です。
企業へのサイバー攻撃が増加し、企業は大きな損害や不安を抱える中、サイバーセキュリティ対策に関する専門知識を持ち、適した対策を取れる人材が求められています。
IT資格の中でも最高峰のレベル4の資格です。情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)は、経済通産省の「情報セキュリティサービス基準」を満たす資格であり、資格保持者は高く評価されるでしょう。
資格取得・登録後も毎年講習があり、最新の知識、実践講習などでスキルアップが可能です。
受験方法 | 独立行政法人 情報処理推進機構の情報処理安全確保支援士試験に申し込む |
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合格率・難易度 | 20.1%(令和3年度) |
受験手数料(税込) | 7,500円 |
学習時間の目安 | 200時間~600時間 |
おすすめの人や特徴 |
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ネットワークスペシャリスト(NW)試験は需要の高いネットワークに関するスキルを証明できる
ネットワークスペシャリスト(NW)は、ネットワーク技術やネットワークシステムを活用したサービスの企画、構築、実践できる知識とスキルを持つことを証明できる国家資格です。
ネットワークの基礎知識はもちろん、セキュリティ、クラウドサービス、さらには次世代通信技術やAIとの融合など、幅広い知識やスキルが求められます。
ネットワークスキルは企業にとって欠かせないもので、常に時代に合ったネットワークサービスやネットワーク環境が求められます。そのような企業のニーズに対応できるネットワークスペシャリストの資格は転職にも有利となります。
受験方法 | 独立行政法人 情報処理推進機構のネットワークスペシャリスト試験に申し込む |
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合格率・難易度 | 14.3%(令和5年) |
受験手数料(税込) | 7,500円 |
学習時間の目安 | 50時間~200時間 |
おすすめの人や特徴 |
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IT資格は目的やレベルに合ったものを選択
IT資格に限ったことではありませんが、資格によってレベルや証明できるスキルが異なります。IT関連の資格はIT企業への就職や転職に有利なものが多いものですが、目的に合った資格を選ぶことが重要です。
IT資格の選び方のポイントや注意点についてお伝えします。
自分の知識やスキルレベルに合ったものを選ぶ
IT資格を選ぶ際には自分の知識やスキルのレベルに合ったものを選びましょう。
難易度の高いIT系の資格は求められる知識やスキルも非常に高くなります。その分、学習時間が必要です。資格によっては独学では歯が立たないものもあります。
難易度の高い資格に合格すれば就職や転職にも有利になりますが、合格するまでに時間がかかってしまうと転職のタイミングに合わないこともあるでしょう。
また、難しい資格に挑戦するのは悪いことではありませんが、勉強する時間が長期に渡るとモチベーションの維持も難しいものです。途中であきらめてしまえば、それまでの時間やテキスト代などが無駄になってしまうこともあるものです。
資格によっては「初心者は3級から」など、段階的に受験するものもあります。試験内容や求められる知識やスキルレベルをチェックし、適した資格を選びましょう。
ただし、初級レベルや初心者向けの資格は、転職に有利とならないこともあります。
レベルに応じて段階的に資格を取っていくことは大切ですが、スキルアップをしていきたい、転職に有利にしたいという場合は、ステップアップをして上位の資格取得を目指すことをおすすめします。
管理者や技術者など目標や必要性を考慮して資格を選ぶ
技術者としてのスキルを証明する資格か、管理者としての資格か、またはスキルのレベルの高さを証明したいのか、など目標が必要性を考慮して選びましょう。
IT資格には幅広い知識やスキルを習得できるもののほか、ネットワークやセキュリティなどそれぞれに特化したスキルを証明する資格もあります。
エンジニア系 | 基本情報技術者、応用情報技術者、データベーススペシャリスト、ネットワークスペシャリスト、エンベデッドシステムスペシャリスト、システムアーキテクト |
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マネジメント系 | 応用情報技術者、プロジェクトマネージャ、ITストラテジスト、ITサービスマネージャ |
セキュリティ系 | 情報セキュリティマネジメント、システム監査技術者、情報処理安全確保支援士 |
クリエイティブ系 | Webデザイン検定、DTP検定、CAD実務キャリア認定制度 |
資格によって、マネジメント系とセキュリティ系など、複数のスキルを証明できるものもあります。
現在のビジネスに必要な資格は何か、また将来必要となる資格は何かなど、自身のキャリアパスを考えて選択をしましょう。
IT資格の国家資格と民間資格の違いについて理解しておく
IT資格の国家資格と民間資格についても把握しておきましょう。
ITの国家資格は、経済産業省の実務実施機関である、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施しています。
認知度が高く、特定にスキルや知識レベルを証明できることもあり、就職や転職に有利になることも多いです。国家資格は一部を除いて(情報処理安全確保支援士は有効期限あり)有効期限がないので、一度合格すれば更新する必要がありません。
主な国家資格には次のようなものがあります。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験(FE)
- システムアーキテクト(SA)
- ITトラテジスト
- 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
- ネットワークスペシャリスト など
民間資格は製品のバージョンアップなども頻繁に行われることもあり、資格には有効期限があります。そのため、は常に新しい知識を得て、更新していく必要があります。
主な民間資格には、次のようなものがあります。
資格の種類 | 認定団体 |
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マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS) | マイクロソフト社 |
AWS認定資格 | Amazon |
G検定 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA) |
ORACLE MASTER | 日本オラクル社 |
シスコ技術者認定 | Ciscoシステムズ社 |
民間資格は転職などにおいて評価されにくいのでは?と思う人もいるかもしれません。中には難易度がそれほど高くない民間資格もありますが、世界的に通用する認定資格もあります。
民間資格を取得する際は、その資格がどの程度認知され、評価されているものかを確認するとよいでしょう。
また、ベンダーニュートラル資格というものもあります。
主なベンダーニュートラル資格には、次のようなものがあります。
資格の種類 | 概要 |
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PMP | アメリカのPMI本部が認定するプロジェクトマネジメントに関する国際資格 |
Ruby技術者 | プログラミング言語Rubyに関する認定制度 |
XMLマスター | XMLのスキルレベルを認定する資格 |
LPIC | NPO法人Linux技術者認定機関LPI日本支部が認定するLinux技術者に関する資格 |
ITコーディネータ | ITと経営の両方の知識・スキルを認定する資格。経済産業省が推奨 |
ベンダーニュートラルの資格には難易度が高いものも多く、資格を持っていることで高い知識やスキルを証明できます。
就職や転職に有利な資格を選ぶ
就職や転職に有利になる資格を選ぶのも、選び方の一つです。資格は特定の分野の知識やスキルを客観的に証明できるものです。企業が求めている知識やスキルを証明できれば、ほかの応募者との差別化が図れます。
ただし、資格によってはレベルがあり、持っていても評価されないケースもあります。就職や転職で評価されるレベルはどのレベルかを確認することも忘れないようにしましょう。
また、採用試験では資格を取得した理由や目的などを伝えることも大切です。その資格を取った後、どのような仕事を、どのような意思でしていきたいのか、という点を伝えることで、より熱心さが伝わるでしょう。
資格があるからといって必ずしも採用試験に通るわけではない
IT資格があれば転職に有利になることは多いものです。しかし、資格を持っているだけで、希望の企業の採用試験に通るとは限りません。
もちろん、持っている資格は確認してもらえますが、企業によっては資格よりも実務経験を重視するケースもあります。応募者の中に経験豊富でさらに企業の望む仕事に役立つ資格を持っていれば、そちらの応募者の方を採用する可能性は高いです。
特に即戦力を求めている企業は、経験を重視する傾向にあります。もし、転職したい企業が「経験者優遇」としているなら、実践スキルを証明できる民間資格を取っておくとよいでしょう。
難易度が低い資格でも試験対策はしっかり行う
初級だから、初心者向けの資格だからといって、試験対策をせずに資格試験に臨めば、不合格になってしまうこともあります。知識やスキルがあり、実務経験があっても、試験対策はきちんと行いましょう。
例えば、IT資格の入門編と言われるITパスポート試験の合格率は、約50%。誰もが受かる試験ではありません。
ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系といった幅広い分野から出題されます。ITに限らず、法律や経営、マネジメントなどについても出題されるので、幅広く勉強する必要があります。
また、情報セキュリティマネジメント試験の合格率は約70%です。半分以上の人が合格する試験ではありますが、1回で合格した人でも30時間~50時間の勉強をしているケースは少なくありません。
試験に苦労したという口コミには、次のようなものがあります。
- 本を何度読んでも知識が定着しなかった
- 難易度が高くなっている気がする
- 苦手な分野を徹底して勉強した
- 学習には計画性が必要だと感じた
合格率が高くても簡単に受かると安易に考えないことです。比較的合格しやすいと言われているITパスポート試験はIT関連以外の職種の人や学生などが受験することも多いものです。
一方、情報セキュリティマネジメント試験は経験が浅くてもIT関連業務に就いている、またはIT関連の仕事を希望しているといった人が受ける試験です。
受検者の傾向から見ると、情報セキュリティマネジメント試験はITパスポート試験より合格率が高いから試験は易しい、とは言えないでしょう。
資格をたくさん持っていれば転職に有利とは言えない
転職に有利と言われているIT資格ですが、数多く持っていればより転職が有利になる、とは言い切れません。
例えば、マイナーな民間資格をいくつも持っていても、実践に役立たない内容であれば転職に有利になるほどメリットがあるとは言えません。
また、資格を取るには勉強時間が必要です。一方、就職・転職活動も時間がかかるものです。
あまり必要のない資格の勉強に時間を取られてしまうと、就職・転職活動がおろそかになってしまう可能性もあります。
特に転職の場合、条件のよい募集はすぐに募集を締め切られてしまったり、多くの人が応募するためライバルも多くなったりするものです。
ほかの応募者との差別化となる資格は転職に有利となるものですが、企業が求めていない資格をたくさん持っていても好印象を持ってもらうことはできません。
本当に必要であり、自分が取っておきたい資格を見極めることが重要です。
転職を考えているなら資格取得のタイミングに注意して学習計画を立てる
転職のために資格を取ろうとしているなら、資格を取れるタイミングや転職のタイミングを考える必要があります。
難易度の高い資格は学習時間も必要であるため、転職に間に合わせるには逆算して学習計画を立て、試験勉強を始めなければなりません。
IT資格取得は適した勉強方法が必要
ITの資格を取得するには、適した方法で勉強することが重要です。IT資格の学習方法としては、独学と専門学校、また通信講座があります。それぞれのメリットとデメリットを把握しておきましょう。
難易度の高いIT資格を独学で学習するのは効率的ではない
独学のメリットは費用が節約できることと、自分の都合に合わせて学習できることです。IT資格の中でも入門レベル、初心者レベルであれば独学で資格を取得できる可能性はあるでしょう。
テキストや参考書などを読み、専門用語であっても理解できる内容であれば独学でも資格を取ることはできます。ただし、レベルが上がってくると経験者やIT関連の知識がないと、勉強に時間がかかります。
IT資格は専門用語も多く、専門用語についてわからないと勉強が進みません。勉強が進まないと資格の勉強が苦になり、モチベーションも下がってしまうでしょう。
また、独学では正しい知識が身につかない場合もあります。わからないことがあっても調べるのに時間がかかり、わからないまま放置してしまうこともあるものです。
疑問点をそのままにしておくと、正しく理解できない点が生じてしまいます。
また、適した教材を選ぶことはできない場合もあるでしょう。いろいろな問題集や参考書を購入しても、どれもわかりにくかったり、使いにくかったりすれば無駄になってしまいます。
資格試験は最新の情報も必要です。古い情報かどうかを見極めるのも簡単ではありません。
専門学校は費用が高額になるがていねいな指導と仲間がいることでモチベーションが維持しやすい
IT関連の専門学校であれば、カリキュラムが組まれ、講師がいて、段階的にITの知識を身につけることができます。同じ目的で勉強をする仲間もいるので、不安や勉強方法など悩みを相談することもでき、モチベーションの維持につながるでしょう。
ただし、費用は高額になります。また、働きながら資格を取ろうと思うと、時間を作るのが難しくなります。時には仕事を休まなければならなかったり、休日も学校に行かなければならなかったりすることもあるでしょう。
独学や通信講座は自分でスケジュールを管理して資格取得に向かって学習をしていかなければなりませんが、専門学校の場合は、出席をすれば必然的に学習をすることになります。
通信講座なら自分のペース学習できコストパフォーマンスもよい
通信講座であれば自分のペースで勉強ができます。独学ほど費用を抑えることはできませんが、専門学校ほど高額にはならないでしょう。
通信講座の多くはオンラインで講義動画やテキストをみることができるため、スマホさえあればいつでも、どこでも勉強することができます。
資格試験までの学習スケジュールも設定してもらうことができたり、メールなどで講師に質問することができたりするケースも少なくありません。
ITの資格試験の勉強をしている仲間とコミュニケーションが取れる通信講座も多いです。モチベーションが下がりそうだったり、学習のことや就職・転職のことなどで悩みがあれば話をしたり、聞いたりすることもできます。
受講料の割引キャンペーンや合格お祝い金など特典があることも多いので、お得に学べるのもメリットです。ただし、専門学校のような強制力はないので、自己管理をしながら学習を進めていかなければならない点は独学と同じです。
IT資格取得のためのおすすめ通信講座
IT資格を取るためのおすすめの通信講座を紹介します。
TAC | スタディング | クレアール | iTEC | フォーサイト | |
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受講料(税込) |
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ITパスポート通信講座 スピード合格講座:16,800円 |
受講できる講座 |
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| ITパスポート |
TACはいつでも質問ができる「質問サポート」があり安心
オンラインで受講可能なTACは、スマホやタブレットがあればいつでも、どこでも、何度でも必要な講義を聴くことができます。質問メールで講師にいつでも質問が可能。わかりやすく解説をしてくれます。
通信講座受講生も自習室として教室を利用することも可能です。
40年以上の実績があるTACでは、試験傾向を徹底的に分析した教材やカリキュラムで、効率的な学習方法を提供しています。
割引や特典 | 受講料割引 |
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支払方法 | クレジットカード、銀行振込、各種コンビニ、TAC教育ローン(分割払い) |
スタディングはAIが受講者に必要なタイミングで復習問題を出してくれる
ビジネス、不動産や建築、法律などの資格取得のための講座が38以上あるスタディングは、IT関連の資格講座も豊富です。
スマホがあれば仕事や家事の合間など、スキマ時間で学習できるので便利。講義内容は図や具体的な事例を挙げて解説してくれるのでわかりやすく、理解しやすいです。
AI問題復習機能では、今日やるべき復習問題などを提案。受講者の理解度をAIが集計し、適切なタイミングで問題を出してくれます。
割引や特典 | 受講料割引、W受講割引、合格お祝い制度(デジタルギフト) |
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支払方法 | クレジットカード、Amazon Pay支払、コンビニ支払、ペイジー支払、銀行振込、ローン(分割払い) |
クレアールはエキスパート講師がていねいに解説するのでわかりやすい
クレアールでは情報処理関連の専門用語など、覚えなければならない内容を、エキスパート講師がわかりやすく解説してくれます。さらに、問題演習ツールを用いて総合テストなどを行い、十分なアウトプットを行います。
講師への質問も質問フォームから可能で、理解できるまでていねいな説明を受けられる点も安心です。
また、クレアールの講義時間は平均30分間です。短い時間で聴くことができるので、集中力もキープしやすいでしょう。講義はWeb通信専用のスタジオで収録しているので、音声もクリア。講義資料などもしっかり読み取れます。
割引や特典 | 2つ目の講座を受講する際の割引あり |
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支払方法 | クレジットカード、コンビニ、払込票(コンビニ・ゆうちょ)、ペイジー、銀行振込、学費ローン |
iTECは充実した内容の書籍が好評
iTECは情報処理技術者試験向けの教育サービスを展開している会社です。通信教育においても受講できる資格が豊富にあります。
学習教材の一つである書籍は内容が充実していると受講者から好評で、e-learningは場所や時間を問わず勉強できる点が便利です。
試験対策コースには次の3コースがあります。
プレミアムコース | 書籍、e-learning、模試がセット。初心者向け |
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スタンダードコース | 書籍、e-learning、模試がセット。基礎から応用まで勉強したい人向け |
プラクティスコース | 問題演習に特化したコース(e-learning) |
ほかにも、論文対策コースやPMPコース、IT基礎学習コースなどがあり、希望に合わせた学習ができます。
割引や特典 | ショッピングサイト「アイテックオンライン」で利用できる割引クーポンを発行 |
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支払方法 | 代金引換、オンラインクレジットカード決済、コンビニ決済 |
フォーサイトのITパスポート試験合格率は83.5%
フォーサイトのITパスポート試験の合格率は83.5%と高い合格率です。このような高い合格率を出せる理由の一つが、受講者個人に合わせた学習ができるからです。
例えば、eラーニングの「ManaBun(マナブン)」は、受講者のライフスタイルなどに合わせた学習スケジュールを立ててくれます。スマホやタブレットで学習できるので、どこででも気軽に勉強できるのもメリットです。
最短で合格を目指すための教材も好評。フルカラーのテキストは色彩を意識し、わかりやすくインプットしやすい内容です。紙とデジタルの両方を併用できる点も便利です。
割引や特典 | 資料請求からの申し込みで割引、合格すればAmazonギフトコードプレゼント |
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支払方法 | 代金引換、クレジットカード、銀行振込、コンビニ払い、ショッピングローン(分割払い)、Amazon Pay、楽天ペイ |
IT資格取得ための通信講座の選び方
IT資格を取得する際の通信講座を選び際には、次のような点を比較し検討しましょう。選ぶ際の注意点についてもお伝えします。
テキストや講義などが自分に合っているか
使用するテキストや問題集などの教材や講義が自分に合っているか、理解しやすいか、といった点を確認しましょう。
資格取得のための講座は、どれも効率的な学習やわかりやすさを追求して考案されています。色彩豊かでポイントわかりやすくしたり、一問一答式のオリジナル問題集を作成したり、通信講座によっていろいろな工夫なされています。
講義をする講師も個性豊かで理解しやすい講義をしてくれるのですが、話し方やテンポ、講義内容の進め方などは講師によって異なります。
人気があったり、評判がよかったりする教材や講義でも、自分には合わないこともあるものです。自分が理解しにくい、使いにくいなどと感じると学習がしにくくなってしまいます。
受講料は自分にとって高すぎず安すぎないか
受講料が自分にとって高すぎないか、また安いけれど物足りないか、など費用対効果を考えて選びましょう。
金額が安いからという理由だけで選ぶと、教材が足りなくて結局書店で購入することになり、費用がかさんでしまった、ということになりかねません。
また、受講料が高いから合格しやすい学習ができるだろうと安易に考えてしまうと、自分には必要のない学習素材が多くて損をした、ということになることもあるでしょう。
受講料は高いけれど、問題集やテキストが豊富で勉強になるのでよい、という人もいれば、ITに関する基礎的な知識があるので、そこまでの教材は必要ないという人もいるでしょう。
質問体制や困りごとが生じた場合などのサポート体制は安心できるか
疑問が生じた場合に、すぐに質問できるなどのサポート体制が充実していると安心です。特に初心者の場合、専門用語を覚えるだけで苦労をするものです。わからない点が出てきて、自分では調べようがないということもあるでしょう。
効率的に学習できるシステムがあるか
仕事をしながら勉強する場合、効率的な学習が必要です。必要な知識はもちろん、資格試験に合格するための教材や学習方法がある通信講座を選びましょう。
スマホやタブレットを使用していつでも、どこでも学習ができる、講義が短時間でスキマ時間でも視聴しやすいなどといったシステムがあれば便利です。
アプリや教材が使いやすいか
アプリや教材が使いやすいかどうかも確認しましょう。通信講座ではオリジナルのアプリや学習システムを提供し勉強するケースが多いものです。
アプリで講義動画を視聴したり、テキストを見たり、質問をしたりできることが多いので、アプリを使いこなさないと便利に学習できないことがあります。
IT資格を取得するメリットは正しい知識を得られることと転職が有利になること
IT資格の取得はさまざまなメリットがあります。IT業界への就職や転職が有利になることもその一つです。IT資格を取得することのメリットについてお伝えします。
ITに関する正しい知識を得られてスキルアップにつながる
IT資格を取得するには、合格のために学習する必要があります。特に難易度の高い資格は通信講座やスクールなどを利用して、知識やスキルを段階的に習得する必要があります。
資格によっては100時間、200時間とかかって学んだ知識やスキルは、自身のスキルアップにつながるでしょう。講義やテキストでは正しい知識をしっかり身につけることができます。
資格を持つことで知識やスキルを客観的に証明できる
資格は保有者の知識やスキルを客観的に証明できるものです。
厚生労働省の調査によると、採用の際に重視することとして、「ITスキルのレベル(設計力や開発力、スピードなど)」を重視するとの回答が約50%。次いで、「これまでの経験、成果」という順番になっています。
さらに、ITスキルレベルの把握方法としては、「履歴書に記載されえいるプロジェクト情報」が多く、次いで「各種資格や能力証明」、「公的なスキル標準」です。
中でも、非情報通信業では、「各種資格や能力証明」、「公的なスキル標準」を基準にスキルを把握しているという結果が出ています。
それぞれのIT資格には、習得しないと合格できない知識やスキルの内容があります。さらに、レベルもあります。
難易度の高いIT資格ほど、幅広い知識と特定の分野に特化した高度な専門性、応用力、マネジメントスキルなどが身についているということです。
資格の種類やレベルによって、その人の持つスキルを信頼してもらえるということ。履歴書にも書くことで自己アピールをすることもできます。
また、未経験であっても、資格があることで知識があることの証明になる点もメリットです。
IT関連の知識やスキルがあることを証明できるので就職や転職に有利
ITの資格があることで、知識やスキルを客観的に証明できるということは、就職や転職に有利になります。資格がないと、「~に関する知識やスキルがある」と口頭で伝えても、どの程度か伝わりにくいものです。
資格があれば、知識レベルやスキルを評価しやすいです。
また、資格を取るまでには勉強が必要です。特に難易度の高い資格を取っていれば、それだけ熱心に勉強をしたこと、目標を達成する力があることの証明にもなります。
難易度の高い資格ほど収入アップにつながることが多い
応用情報技術者試験などワンランク上のIT資格を取ると、年収アップにつながる可能性が高いです。年収アップになる理由の一つが資格手当です。
有資格者は資格手当がつくことがあります。例えば、基本情報技術者であれば、5,000円~10,000円、応用情報技術者であれば5,000円~20,000円程度の資格手当がつくケースもあります。
さらに難易度の高いプロジェクトマネージャやITサービスマネージャ、ITトラテジストなどの資格は、より高額な資格手当が期待できることも。
プロジェクトマネージャおよびソフトウェア開発スペシャリストともに、ITスキルレベルが高くなると、賃金水 準が高くなる傾向にある。なお、プロジェクトマネージャにおいて、レベル間の賃金格差が大きく、レベルの変 化による賃金の上昇幅は、職種によって異なると考えられる。
引用元:プロジェクトマネージャおよびソフトウェア開発スペシャリストの賃金相場 厚生労働省 「IT・デジタル人材の労働市場に関する 研究調査事業」 調査報告書
資格手当の金額は企業にもよりますが、多くは毎月支給されるものなので、年収は確実にアップするでしょう。
IT関連のビジネス以外の業務やプライベートでも役立つ知識が得られる
IT関連の資格は、IT業界ではなくても自身のビジネスやプライベートで役立つ知識を持つことができます。インターネットのことやパソコン操作、AIの関する知識は、IT業界でなくても必要な知識です。
身近なところで言えば、会社でパソコンを使っていてトラブルがあったとき、インターネットがうまく使えなかったときなど、知識があれば原因を究明し対応できる可能性があります。
専門家に頼ることなく自分で解決できれば、仕事がストップすることもないでしょう。
また、Webデザインなどを学べば、副業として仕事ができる可能性も出てきます。今までとは違う分野のビジネスに興味が出てくることもあるかもしれません。
IT関連の仕事は将来的に需要が高い
IT関連の仕事は身近なところにも多く存在しているもので、将来的に需要が高いと考えられます。
ビジネスでパソコンを使わないことはないと言っても過言ではありません。ネットワーク環境が整備されていないと通信が遅くなったり、途絶えたりして仕事になりません。
スマホの機能もすぐに進化しますし、会社ではペーパーレス化が進んでいます。身近なところでもAIが進み、人材不足を補える可能性も高まっています。
特にAIの進歩は目覚ましく、AIの知識やそれを応用できるスキルが求められています。
また、個人情報を守る、サイバー攻撃から組織を守るなど、セキュリティに関するITの資格を持つのもおすすめです。
悪質なサイバー攻撃による被害は増えるばかりです。
令和5年におけるランサムウェアによる被害件数は197件(前年比で14.3 %減少)であり、引き続き高い水準で推移している。
また、偽のサイトに誘導して、クレジットカード情報などを盗むフィッシング詐欺の被害も増える一方です。
令和5年におけるフィッシングの報告件数は、フィッシング対策協議 会によれば119万6,390件(前年比で23.5%増加)と過去最多であり、ク レジットカード事業者等を装ったものが多くを占めた。
ネットショッピングを利用したら個人情報が盗まれた、なりすましによってカードが使われてしまったなどといった被害を回避するセキュリティ対策は今後ももっと重要になるでしょう。
そのような場合に活躍するのが、セキュリティエンジニアであり、情報処理技術者や情報セキュリティスペシャリスト、情報処理安全確保支援士などの資格保有者です。
ITサービスには欠かせないインフラエンジニア、データを扱うデータエンジニア、プログラマーなどの活躍の場は幅広く、重要な役割を担います。今後も活躍の場はさらに広がっていくでしょう。
取ってよかった!IT資格を取得した体験談
IT資格を取ろうと思ったきっかけは何だったのか?資格を取得してよかったことは?など、IT資格を取得した人たちの体験談を紹介します。
資格を取ろうと思ったきっかけ
将来的に、転職のために、会社から言われてなど、資格を取得しようと思ったきっかけはいろいろのようです。
- よく知られている資格なので取っておくと転職に有利だと思った(ITパスポート)
- 情報セキュリティマネジメントの資格を取りたくて、まずは最初の1歩として取った(ITパスポート)
- ITリテラシーを高め仕事に活かしたかった(ITパスポート)
- ITエンジニアとして仕事をしていてもなかなか合格できない試験だが、IT全般のことを知ることができ、ITの仕事に就くなら取っておきたい(基本情報技術者試験)
- WordやExcelを極めたいならおすすめ(MOS)
- 会社からの指示で取得。専門用語には苦労したがきちんと勉強できた(インターネット検定 ドットコムマスター)
- 今後は情報セキュリティがもっと重要になってくると思う。仕事にも生かせるので取得した(情報セキュリティマネジメント)
- 異動先で知識不足を感じて勉強を始めた。合格することは大事だがなぜ資格を取るのかを忘れずに勉強することが大切(ITサービスマネージャ)
学習方法の秘訣やポイント
難易度の高い資格も多いITの資格。過去問を何度も解いた、という声も多いです。
- 基本的な知識はあったので、過去問をずっと解いていた。特に間違った問題はしっかり勉強し直した(ITパスポート)
- 1日の最低学習時間を決めて勉強した。通勤時間や休憩時間も復習をした(ITパスポート)
- IT初心者で専門用語を覚えるのが難しかった。正式名称をチェックするようにして意味を理解して覚えるようにした(ITパスポート)
- 試験は難しく2回目で合格。実務も大切だし、過去問をたくさん解いた方がよいと思う(情報セキュリティマネジメント)
- 試験範囲が広いので、うまくまとめている参考書を使うとよいと思う(応用情報技術者)
- 知り合いのSEの方にいろいろ聞いて勉強した(ITサービスマネージャ)
- 過去問を繰り返した。試験に出る頻度の高い問題は確実に解けるようにした(基本情報技術者)
- 苦手な問題を避けず、しっかり学んだ(基本情報技術者)
- IT系はまったく知識がなかったが、教材をしっかり学んで合格できた(応用情報技術者)
試験を受けてよかったと感じたことや資格を取ったことで感じるメリット
資格の勉強をすることで基本的な知識を得られたり、実際の業務に役立っていたりすることも多いようです。
- 基本的な機能も知らないことが多かったと実感。受けてよかった(MOS)
- 勉強をしてみて、普段の使い方がいかに自己流だったか改めて感じた(MOS)
- 仕事で活用できる内容だったので勉強してよかった(インターネット検定 ドットコムマスター)
- ネットワークやセキュリティなど、情報系の基本的な知識を学べた(ITパスポート)
- 目標は情報処理安全確保支援士なので、その過程として受験してよかった(情報セキュリティマネジメント)
- ネットワークの知識をバランスよく学べる。学習内容は実務でも役立っている(ネットワークスペシャリスト)
試験勉強で苦労したこと
難易度の高い資格試験は1回で受からないことも少なくありません。それでも勉強を続ける人も多いものです。
- システム関連の仕事をしていないとたくさん勉強しないと受からない(基本情報技術者)
- 8回でやっと合格。時間はかかったが受けてよかった(ネットワークスペシャリスト)
- コツコツ勉強することでモチベーションを維持した。勉強がきらいにならないよう考えた(ITストラテジスト)
- 「監査」という立場で考えなければいけないので難しかった(システム監査技術者)
- 失敗した答案と向き合うのはつらかったが乗り越えなければならなかった(プロジェクトマネージャ)
ITの資格を取得しようとしている人へのアドバイス
ITの資格を取得しようといている人へのアドバイスを紹介します。参考にしてみてください。
- まずは応用情報技術者試験を受けるのがおすすめ。知識を持ってから受けると合格が近い(ITサービスマネージャ)
- 理想は1回で合格することですが、難しい場合は数回で合格を目指すのも方法の一つ。その方が精神的にもリラックスして勉強できる(情報処理安全確保支援士)
- 論文対策をしっかりするとよい(システムアーキテクト)
- 試験時間が短いので落ち着いて受けることが大切(システムアーキテクト)
- 合格するには勉強する環境も大事。自分に合った学習方法を見つけた方がよい(情報セキュリティマネジメント)
- 実際の試験は筆記なので、パソコンばかりではなくペンで書いて学ぶことも必要(ネットワークスペシャリスト)
「IT資格」に関するよくある疑問
「IT資格」に関するよくある疑問を集めてみました。参考になさってください。
Q 初心者向けのIT資格にはどのようなものがありますか?
A ITの入門編として知られているのが国家試験である「ITパスポート」試験です。ITに関する基礎的な知識を幅広く得ることができます。
ほかにも、インターネットの基本的な知識が証明できる「インターネット検定 ドットコムマスター」のBASIC、WordやExcel、PowerPointなどパソコンのスキルを証明できる「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」があります。
Q 転職に有利なIT資格にはどのようなものがありますか?
A 国家試験である初心者向けの「ITパスポート」も転職には有利ですが、より難易度の高いIT資格は転職に融資になります。
より高度な知識やスキルを証明できる「応用情報技術者」や「システムアーキテクト」、「データベーススペシャリスト」「ネットワークスペシャリスト」、また、サイバーセキュリティ関連の知識やスキルを証明できる国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」もあります。
マネジメント系であれば、「ITサービスマネージャ」「ITトラテジスト」「システム監査技術者」といった資格も転職に有利です。
Q IT資格を取りたいのですが、選び方の注意点はありますか?
A 自分の知識やスキルレベルに合ったものを選ぶことです。
知識やスキルが合っていないと勉強が続かず、資格取得に至らない可能性があります。また、どのような知識やスキルを証明できる資格なのか内容を確認しましょう。
さらに、転職に有利にしたい、業務に活かしたいなど、目的を明確にして、それに合わせた資格を選ぶことが必要です。
Q IT資格を取得するメリットは何ですか?
A 自身のITに関する知識やスキルを客観的に証明できるため、就職や転職に有利になります。ITに関する知識を得られることは、業務に役立たせることも可能です。
仕事の幅が広がる、キャリアアップできる、収入がアップするといったメリットもあります。IT業界のみならず、さまざまな分野の企業においてもIT関連の資格を持っていると転職でも有利になり、資格によっては責任ある管理職などを任されることもあるでしょう。
Q ITの資格を取る際、適した順番はありますか?
A まずは初心者向けの「ITパスポート」から始めて、「基本情報技術者試験」、次に「応用情報技術者試験」に進むのがおすすめです。
その後は、「プロジェクトマネージャ」「システム監査技術者」「ITトラテジスト」「ネットワークスペシャリスト」「システムアーキテクト」など、難易度の高い資格に挑戦してみるとよいでしょう。
Q ITの資格を独学で取るのは無理ですか?
A ITに関する知識やスキル、資格の種類によっては一概に独学では取れないとは言えません。
取得する資格に関する知識や経験がある場合は、独学で書籍や過去問などで勉強すれば合格できる可能性も高いでしょう。
ITに関する知識やスキルがない場合は、易しいと言われている資格試験でも、試験対策を行っている通信講座などを受けて勉強することをおすすめします。
ITの資格試験では専門用語などから覚えなければならず、知識がないと勉強に時間がかかってしまうでしょう。モチベーションも持続しにくいので、スクールや通信講座などで学習をする方が効率的に学ぶことができます。
Q ITの資格はたくさん持っていた方が就職や転職に有利ですか?
A IT関連の資格を数多く持っていても、就職や転職に有利にならない場合もあります。
資格は就職後、職場で役に立つものが必要です。企業が求める資格でなければ、数多く資格を持っていても企業にとってメリットとなりません。
資格の数を増やすより、自分にとって、また企業にとって役立つものを選び取得していきましょう。
IT資格はレベルや目的のほか習得できるスキルを確認して選ぶ
IT資格は多くの職場で役に立つものです。現在の職場でもITに関する知識やスキルがあれば、業務の幅が広がるでしょう。IT資格は就職や転職にも有利です。
IT関連の実務経験があり、知識やスキルがある場合は、資格を取りステップアップすることで収入が増えることも多いものです。IT初心者の場合は、自分の知識やスキルレベルに合った資格を選び、徐々にステップアップしていきましょう。
どのような資格を選ぶかは、目的や将来的なことを考え、適したものを選ぶよいです。