Windows10のサポート終了はいつ?対応方法も詳しく解説
多くの企業で使われているWindows。現行の最新バージョンはWindows11ですが、一つ前の世代であるWindows10を現役で使っている企業も多いのではないでしょうか。ですが、Windows10を使っているあなたも「Windows10のサポート終了が迫っている」という情報を耳にしたことがあるのでは?
「でも、サポートが終了しても使えることは使えるんでしょ?」
「使い慣れたWindows10をこのまま使いたいな」
などと考えている方もいるかもしれませんが、結論から言うと
『サポート終了後もWindows10を使い続けるべきではありません』
この記事では、
- Windows10のサポート終了日
- サポート終了後もWindows10を使い続けることのデメリット
- Windows10からの移行先
- Windows11へ移行することのメリット
- 実際の移行方法
について詳しく解説します。
ぜひ最後まで読んでいただき、Windows10のサポート終了に関わる不安を解消してください。
目次
Windows10とサポートに関する基礎知識
具体的なWindows10のサポート終了日を見ていきますが、まずはそもそもWindows10とは何なのか、サポートとはどのようなことを指すのかも併せて見ていきます。さらに、サポートが終了してもしばらくの間安全に使い続けられる「有償での拡張セキュリティ更新プログラム」についても解説します。
Windows10は圧倒的シェアを誇るOS
Windows10のサポートが終了することを説明するために、まずはWindows10自体について軽く触れておきたいと思います。Windows10とは、Microsoft社が開発・販売しているOS(オペレーティングシステム)のことです。2015年にWindows8.1の後継として発売され、世界中で圧倒的なシェアを誇ります。
従来のWindowsと同様、家庭向けの「Home Edition」ビジネス向けの「Pro Edition」企業・官公庁向けの「Enterprise Edition」教育機関向けの「Education」「Education Pro」が用意されています。
Windows10で追加された主な新機能は以下の通りです。
- デスクトップモードとタブレットモードが選択できる
- ユニバーサルアプリ
- 仮想デスクトップ
- Microsoft Edge(新インターネットブラウザ)
- Cortana(音声認識機能付きアシスタント)
- Windows Hello(生体認証によるサインイン)
- Windows Ink ワークスペース(ペンメニュー)
年数回の大型アップデートにより、新機能の追加や操作性・セキュリティの向上が図られてきました。
2023年4月に、Windows10の最終バージョンが「バージョン22H2」になることが発表されました。
WindowsのサポートとはMicrosoftが保守の責任を持つこと
では、サポートとは一体何のことを指すのでしょうか。Windowsのサポートとはいわゆる保守のことを指し、具体的にはWindowsOSの機能改善、不具合やセキュリティの脆弱性の対応に対して、Microsoftが責任を持つことです。
このサポート期間が終了すると、その後不具合や問題が発生してもMicrosoftからのサポートは受けられないため、全て自分で解決しなければなりません。サポート期間が終了したからといって、すぐに使えなくなるわけではありませんが、デメリットが大きいため推奨はできません。特に企業や自治体などでは、個人データや機密情報を多数取り扱っているため、サポート終了後もWindows10を使い続けるのはセキュリティの観点から止めておいたほうが良いでしょう。
Windows10のサポート終了日は2025年10月14日
Windows10のサポート終了日は、Version21H2は2024年6月11日、Version22H2は2025年10月14日で、その他のバージョンについては2024年3月時点ですでにサポート終了しています。(注:Home EditionとPro EditionのVersion21H2はサポート終了済み)
ただし、サポート期限が過ぎた古いバージョンを使っている場合には、アップデートをすることで2025年10月14日までサポートを受けられるようになります。
サポート終了の影響を受けるエディションは次の通りです。
- Windows10 Home
- Windows10 Pro
- Windows10 Pro for Workstation
- Windows10 Pro Education
- Windows10 Education
- Windows10 Enterprise
- Windows10 Enterprise マルチセッション
これらのOSを使っているのなら、サポート終了を迎える前に対応を考えましょう。
拡張セキュリティ更新プログラムを利用すればしばらく使用可能
サポート終了を迎える前に新しいバージョンへするのが理想ではありますが、全ての人がすぐに移行できるわけではありません。そうした、サポート終了前に移行できない顧客に対して、MicrosoftではESU(拡張セキュリティ更新)を提供しています。
ESUとは、サポート終了後さらに3年間のセキュリティ関連のアップデートが受けられるもので、ESUに登録した端末に毎月セキュリティ更新が届きます。ただし、新機能や顧客が要求するセキュリティ以外の更新プログラム、設計変更要求は対象とされていないため注意が必要です。
また、過去のWindows7などでは企業の顧客のみを対象としていましたが、個人消費者向けのWindows10 Homeなどのユーザーも新たに対象とされています。ESUは12か月単位で、最大3回の購入が可能です。3か月や6か月といった12か月以外の期間の購入、途中解約はできないので利用する際は気をつけてください。
Windows10をサポート終了後も使い続けるデメリット
Windows10は、サポートが終了しても使い続けられるという話はしましたが、実際に使い続けるとどうなるのでしょうか。有償での拡張セキュリティ更新プログラムを利用するのであれば、プログラム提供期間は問題ありませんが、それ以外で使い続けることは多大なリスクを伴います。ここでは、サポート終了後もWindows10を使い続けた場合に発生し得るデメリットについて説明します。
ウィルス感染しやすくなる
まず起こり得る事象として最初に挙げるのは、ウイルスに感染しやすくなることです。Windowsのサポートが終了すると、Microsoftからの更新プログラムやセキュリティパッチの提供が停止されるため、セキュリティの脆弱性が新たに見つかっても修正されなくなります。
結果として、ハッキングやウイルス感染、マルウェアの攻撃により、重要なデータや個人情報が漏洩する危険性が高まります。ハッカーは脆弱性のあるところを狙ってくるため、サポート終了後も使い続けるのはかなり危険です。企業が狙われると、最悪の場合取引先やパートナー企業にまで損害が及ぶことも考えられるため、信用を大きく失うことにもつながってしまいます。
不具合の発生やPCが使用できなくなる可能性がある
次に挙げるのはPCの挙動に問題が起こり、最悪の場合使用できなくなることです。Windowsでは、新機能の追加やパフォーマンスの改善のためのアップデートが日々行われており、アップデートに関わる不具合が発見されると早期に対応されます。
しかし、サポート終了後にOSの不具合が発見されても、修正プログラムは提供されません。すると、不具合によってPCの挙動に問題が起こって使いづらくなることが考えられます。最悪の場合には、そのままではPCが使用できなくなる可能性すらあるのです。
不具合による不安を抱えて使い続けるよりも、できるだけ早く移行してしまった方が良いでしょう。
新たなアプリやデバイスが使用できない可能性がある
最後に挙げるのは、新たなアプリケーションやデバイスが使用できなくなる可能性です。PCに接続する周辺機器は、OSのバージョンに依存しているものも多く、新たに作られる周辺機器はWindows11対応の製品が主となります。アプリケーションも同様で、特にWindows10のサポート終了後はほぼほぼWindows11対応になっていきます。
こうして、Windows10では新たに登場したアプリケーションやデバイスの動作が保証されなくなるため、せっかく導入しようと思っても上手く作動しない、もしくは全く使えない可能性があるのです。現在すでに使えない例としては、Wi-Fi 6E(6GHz帯)が挙げられます。Wi-Fi 6EはWindows10では使用できないため、どうしても使いたいならWindows11にアップデートする必要があります。
最新のアプリケーションやデバイスを使いたいのなら、早めに移行するのがおすすめです。
Windows10からの移行先
サポート終了後もWindows10を使い続ける危険性が分かったと思いますが、Windows10の使用を止めるなら、新たに別のOSに乗り換えなければPCは使用できません。この章では、Windows10からの移行先を3つご紹介します。
そのままWindows11にアップグレードする
Windows11へアップグレードするシステム要件を満たしているのなら、今使っているPCでそのままアップグレードすれば簡単に移行できます。Windows11の最小システム要件は以下の表の通りです。
参照:Microsoft Windows11の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する
PCが最小システム要件を満たしているかは、『PC正常性チェックアプリ』を利用することで簡単に調査可能です。要件を満たしている場合、更新プログラムのチェックを行うとWindows11へのアップデートが表示される場合があります。そのままアップデートしてしまえば、すぐにWindows11が使えるようになります。
アップデートが表示されない、または好きなタイミングでアップデートしたいなら『Windows11 インストール アシスタント』がおすすめです。ファイルをダウンロードして開いたら、「同意してインストール」をクリックして、画面の指示に従って進むだけで完了です。
クリーンインストールしたい場合は、インストールメディアを作成してインストールしましょう。USB、もしくはDVDでインストールメディアを作成することで、クリーンインストールすることができます。ただしUSBで作成する場合には、USBに保存しているデータが全て削除されるため、空のUSBか、消えても良いデータが入っているUSBを使用してください。
Windows11が入ったPCへの買い替え・レンタルでの新調
Windows11へアップグレードする最小システム要件を満たしていない場合は、Windows11がインストールされているPCへの買い替え、もしくはレンタルでの新調がおすすめです。また、最小システム要件は満たしているものの、買い替えのタイミングとされる5年を経過したような古いPCを使っている場合にも、買い替えやレンタルによる新調をおすすめします。
Windows11にアップデートできるだけではなく、より高パフォーマンスなPCを使うことで業務の効率がアップすることは大きなメリットです。PCはいつまでも使い続けるわけにはいきません。買い替え時期が近づいているのなら、Windows11にアップグレードするタイミングで買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。
クラウド環境への移行
OSの載せ替えを機に、クラウド環境へ移行するのも一つの手です。クラウド環境に移行することで、初期コストや運用コストの削減が期待できます。
例えばMicrosoft Azureなら、最低限のスペックを有したクライアント端末さえあれば十分構築可能で、端末の手配や削除もMicrosoft Azureを設定するだけで対応可能です。Windows11に移行したいが初期費用はかけたくない、リモート環境で作業する社員が多いなどの事情があるなら、選択肢として検討する価値はあるでしょう。
Windows11へ移行するメリット
Windows10から移行する必要性や移行先はお分かりになったと思いますが、それでも使い慣れたOSから移行することに不安を感じる方もいるでしょう。そこで、ここではWindows11へ移行することのメリットをご紹介します。
パフォーマンスの改善
最初に挙げるメリットはパフォーマンスの改善です。Windows11はシステム要件が厳しくなりましたが、それだけOSとしての完成度が高くなったとも言い換えることができます。Windows11では、ソフトの起動、ファイルの読み込み、Webページの閲覧など、業務にも関わるさまざまな動きが快適になっています。データサイズの増加に伴い、一部では重くなったとの声もありますが、
- Driveの最適化
- メモリの増設
- デスクトップの整理
- 不要なファイルやプログラムの削除
- アプリのバックグラウンド設定を見直す
こうした対策を施すことで改善可能です。特に古いPCから乗り換えた場合などには、パフォーマンスの違いを実感できるでしょう。
セキュリティの強化
次に挙げるメリットはセキュリティの強化です。そもそもシステム要件である「TPM2.0」はセキュリティ強化を目的としたモジュールであるため、TPM2.0導入によってサイバー攻撃を受けるリスクを大幅に低減させることに成功しています。 これは、Windows11への移行に於いて、非常に重要なメリットです。
また、二段階認証の実装により不正アクセスからさらに守りやすくなり、ログイン時の安全性が飛躍的に上昇していることもセキュリティの観点からは大きなメリットです。さらに、顔認証や生体認証によるアカウント作成や、Webサイト、アプリケーションへのログインが可能になっていますし、ディスプレイを離れるだけで画面ロックできる機能も付加されています。
企業がWindows11を導入するにあたっては、情報漏洩に関わるセキュリティが強化されたことは大きなメリットです。
新機能の追加
これまで発表されてきたWindows OSと同様、Windows11にもさまざまな新機能が盛り込まれました。ここでは5つの機能に絞ってご紹介します。
①スナップレイアウト
スナップレイアウトは、複数のウィンドウを使いやすく整列できる機能です。配置やサイズ変更など、ウィンドウのレイアウト調整が容易にでき、作業効率が格段に上がります。
ウィンドウ右上の「最大化ボタン」にマウスカーソルを合わせることで、ウィンドウをデスクトップ上のどこに整列させるかを選択する「スナップレイアウト」が表示されます。左右2画面や縦3分割の3画面、上下左右の4画面など、好みのレイアウトでウィンドウを整列させることが可能です。
画面上をきれいに整理したい几帳面な人には嬉しい機能なのではないでしょうか。
②タスクバーの改善
Windows11ではタスクバーが中央に配置できるようになったため、マウスを大きく動かすことなくアプリケーションが起動できるようになりました。地味な変更に見えますが操作性に関わる部分であるため、使いやすく感じる人には大きな変更でしょう。
どうしても使いづらく感じる人は、設定変更でWindows10までのような左揃えに変えられるので心配いりません。
③仮想デスクトップの強化
仮想デスクトップも強化されました。仮想デスクトップとは、Wordでの文書作成やWebブラウザーでの調べ物など、作業それぞれに仮想のデスクトップを与えて切り替えられるようにしたものです。
仮想デスクトップは文書作成用やWeb会議用、プロジェクト別など、用途別に何個でも作成できます。作業スペースを拡大できるため、ノートパソコンなどの狭いモニターを使っている人に特には特に便利な機能と言えるでしょう。
Windows11では、それぞれのデスクトップによって壁紙を変えられるようになったため、どのデスクトップかが直感的に判断できるようになりました。
④MicrosoftTeamsの統合
Windows11では、Microsoft Teamsがタスクバーに統合されました。これにより、チャット機能がデフォルトで使えるようになり、デスクトップ上でチャットや音声通話・ビデオ通話を始められるようになったのです。また、チャットアイコンがタスクバーにデフォルトで配置されているため、通知や新規メッセージがすぐに確認できますし、ファイルの共有や共同編集もスムーズになり、業務の連携が取りやすくなりました。
注意点としては、Windows11のTeamsをMicrosoft 365で利用することはできないことです。Microsoft 365のTeamsは組織向けのものであり、個人向けであるWindows11のTeamsとは互換性がありません。Windows11で組織向けのTeamsを利用するためには、ユーザー自らがTeamsを新規でインストールする必要があります。
ただし、新規で組織向けのTeamsをインストールしたからといって、元々入っていたTeamsに上書きされるわけではなく、共存させてそれぞれ別々に利用することができるので心配せずにインストールしましょう。
⑤Copilot in Windows
2023年11月から、Windows11に「Copilot in Windows」が搭載されました。Copilot in WindowsはWindowsを操作できるAIチャットで、デスクトップ上での質問や依頼を言葉で行うことができます。アプリの起動や設定変更、音楽の再生など、可能なことはさまざまです。
また、使いたい機能があるけど探せない場合などにも、おおまかにやりたいことを伝えるだけで該当するアプリケーションを推奨してくれるため、PC操作があまり得意ではない人の大きなサポートにもなります。
Windows11搭載PCに「Copilotキー」が導入されるようになるなど、Microsoftが力を入れているのが分かります。今後、さらに便利になっていくであろうCopilot in Windowsが標準搭載されているのは大きなメリットです。
Androidアプリがデフォルトで使用可能に
Windows11では「Windows Subsystem for Android」を導入することで、Androidアプリケーションが利用できるようになります。しかし、利用には以下のデバイス要件を満たす必要があるので注意が必要です。
デバイス要件をクリアしていても「BIOSで仮想化が有効になっていることを確認してください」という内容のエラーメッセージが出ることがあります。その場合には、BIOS画面で「Intel Virtualization Technology」や「AMD Virtualization」を有効化しなければなりません。
また、Windows Subsystem for AndroidはAmazonアプリストア経由でダウンロードするため、Amazonのアカウントが必要です。有料アプリやアプリ内課金もAmazonアカウントでの利用となるため、ご利用時には支払い方法などに注意してください。
移行による変化・注意点
さまざまなメリットがあるWindows11ですが、当然メリットだけではなく注意しなければならないこともいくつかあります。ここでは、あらかじめ知っておいてほしいWindows11へ移行することによる変化や注意点を解説します。
UIの変更
Windows11のUI(ユーザーインターフェース)はWindows10をベースに合理化・効率化を図って設計されています。しかし、人によっては使いづらく感じ、慣れるまでに時間がかかることも。使いやすさはどうしても主観が伴うものなので、心配であればあらかじめ触れて試してみると良いでしょう。
ただし、大型アップデートによって、Windows10で使えていた機能が復活するなどの変更は随時加えられているため、移行時期によって違いがある点には注意してください。
機能の削除
Windows11では、Windows10で使い慣れていた機能のいくつかが削除されています。削除された主な機能は以下の表の通りです。
意外と良く使われていた機能も削除されているため、こうした機能をよく使っていたのなら代替手段を探さなければなりません。ですが、例えばInternet ExplorerはMicrosoft Edgeに代替されていますし、Cortanaはシステムに組み込まれる形ではなくアプリとして搭載されています。何らかの代替手段は存在するため、それほど心配しなくても良いでしょう。
不具合の可能性
長く使われてきたWindows10と比べると、Windows11では新たな不具合が生じる可能性は高いです。随時配信されている更新プログラムにより修正されてはいますが、未発見の予期せぬ不具合により修正されるまでPCの動作が不安定になる可能性はあります。
しかし、サポート終了後は不具合が改善されないため、Windows10を使い続ける方がリスクは遥かに高いです。やはりサポート終了前には移行しておく方が賢明でしょう。
Windows11への移行作業
では、いよいよ実際にWindows11へ移行する方法を見ていきます。Windows11へ移行するためには、ただ単純に移行作業さえすれば良いというものではありません。事前に把握しておかなければならないこと、移行後に確認しなければならないいくつかの項目があります。ここでは、Windows11の移行に関する事前調査や移行作業、移行後の確認作業について詳しく解説します。
事前調査
Windows10から移行するにあたっては、事前に調べておくべきことがいくつかあります。何も考えずにいきなり移行作業に入ってしまうと、予期せぬ問題にぶつかり、結局は時間も労力も余計に費やすことになりかねません。そうならないためにも、一つひとつしっかりと調査しておきましょう。
①移行が必要なPC台数の確認
まず、移行する必要があるPCの台数を確認します。これは、移行にかかる予算や時間、人員を把握するためです。また、Windows11に移行するためのシステム要件を満たしているPCと満たしていないPCを把握しておく必要もあります。全てのPCを最新のものに交換するなら必要のない工程ですが、できる限り予算を抑えて移行したいなら、そのままアップグレードするだけで移行が完了するPCの台数はしっかりと把握しておきましょう。
②ソフトウェア・ハードウェアの互換性確認作業
PCの台数が確認できたら、現在使用しているソフトウェアやハードウェアの互換性も確認しておきましょう。ソフトウェアやハードウェアによってはWindows11に対応していないことがあるため、移行することで不具合が発生したり、最悪の場合使用不可に陥ったりすることもあり得ます。
いざ移行してから困らないように、互換性のあるものとないものを把握して、互換性のないものについては新規での購入やアップグレードを検討しましょう。
③各種データ・設定の移行に関する調査
アプリケーション、メール、ファイル、ブラウザデータ、プリンター・光ディスクなどのドライバ類についても、Windows11との互換性を調べます。アプリケーションに関しては、Windows10で使えていたものについてはWindows11でも継続使用できるとMicrosoftからアナウンスされていますが、業務への影響が大きなものについては念のため確認するようにしましょう。
④移行先の検討
全ての調査が終わったら、現行のPCでアップグレードするか、新規でPCを調達するか、クラウド環境へ移行するかを決めましょう。環境をあまり変えたくないならアップグレードか買い替え、PCの大量調達をしたくない、リモートワークで作業する社員が多いならクラウド環境への移行がおすすめです。
移行作業
全ての調査、決定が済んだら、いよいよ移行作業に入ります。Windows11へのアップグレード、Windows11搭載PCへの新調、クラウド環境への移行、それぞれについて説明します。
●Windows11へのアップグレード
現行のPCでWindows11にアップグレードする方法は、Windows Update、手動アップグレードの2択です。また、プリンターや光ディスクなどのドライバは、公式のダウンロードサイトからWindows11対応のものをインストールすることを推奨します。非対応のものは動作が保証されていないためおすすめしません。
市販のソフトウェアやフリーソフトに関しても同様に、Windows11対応のバージョンを入手し、アップデートしましょう。動作が保証されていない非対応のものは利用を控えるのが賢明です。自社制作のソフトウェアを使用している場合も、Windows11に対応させておきましょう。
●搭載PCへの新調
Windows11が搭載されたPCを購入する、もしくはレンタルで調達する場合には、余裕があるなら先のことも見据えてスペックの高いものを選びたいところです。一方、外付けのハードウェアに関してはWindows11に対応したドライバが必要になりますし、現行のPCから継続して利用するソフトウェアは、Windows11対応のバージョンが必要となります。
データの移行の手段は以前は手動しかありませんでしたが、現在ではさまざまな移行方法が存在します。
例えば手動なら、LANケーブルで接続しての移行か外付けHDD・SSDを経由しての移行が選べますし、PCにあらかじめインストールされている移行ツール(大手メーカー製のPCには入っていることが多い)を利用することで簡単に移行できるようになりました。また、市販のデータ移行ソフトの利用や、One Drive、Google Drive、Dropboxなどのクラウドストレージと同期させることでも移行することができます。
●クラウド環境への移行(例:Microsoft Azure)
クラウド環境への移行は、Microsoft Azureを例に説明します。Microsoft Azureでの環境に移行するためには、Windows11をOSとしたAVD(Azure Virtual Desktop)やAzure VM環境をMicrosoft Azure上に構築する必要があります。継続利用したいソフトウェアについても、Windows11対応バージョンをAVD仮想マシンやAzure VM上にインストールしなければなりません。
データ移行に関しては、オンラインでの
- Azure Migrate
- Azure Database Migration Service
- Azure Data Factory
と、オフラインでの
- Azure Import/Export
- Azure Data Box
といったサービスが用意されています。
ただし、クラウド環境へ移行するためには専門の知識を持ったエンジニアの存在が必須なため、エンジニアが確保できない場合には専門の業者に委託する必要があるでしょう。
ソフトウェア・ドライバの動作確認
全ての移行作業が終了したら、ソフトウェアやドライバ、周辺機器などの動作確認をしましょう。Windows11に対応しているとアナウンスされているものでも、PCのスペックやその他の要素によって正常に作動しない場合もあるためです。これは特に、自社制作のソフトウェアの移行、クラウド環境への移行では一層顕著に見られます。いざというときに急に不具合が生じて慌てないために、しっかりと時間をかけて検証してください。
Windows10からの移行ならケイティケイへ
「Windows10のサポート終了に伴ってOSを移行したいけど、やり方が分からない」
「Windows11に移行したいけど、詳しい人がいなくて不安」
こんな方はぜひ、ITソリューションのプロであるケイティケイへご相談ください。OSの移行を、企業や組織に合った形でしっかりとサポートいたします。
まとめ
Windows10のサポート終了に関して、対応や移行方法などさまざまなことを解説しました。サポート終了後に使い続ける危険性や、Windows11に移行することのメリットなどがよく分かったのではないでしょうか。
ぜひこの記事を参考に、新たなOS環境への一歩を踏み出しましょう。
お気軽にご相談ください