年齢を重ねるとともに現れる目の下のシワに悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
目元は人に与える印象に大きく関わりますが、メイクで消したりマッサージで薄くしたり…という対策方法はなかなか効果が表れづらいですよね。

目の下のシワは、加齢による皮膚の弾力性低下や紫外線の影響、乾燥など、さまざまな要因が重なり合って生じると考えられていました。
しかし、実は日々の生活習慣やスキンケア方法も大きな影響を与えていることが近年の研究でわかっており、適切なスキンケアを行ったり日々の生活習慣を見直すことによって、目の下のシワを目立たなくする効果が期待できます。

この記事では、目の下のシワの種類や原因を詳しく解説し、シワが気になる方におすすめのスキンケア方法や生活習慣の改善策を紹介します。
取り組みやすいものも多いので、是非実践してみてくださいね。

目の下のシワができる4つの原因

目の周りは皮膚が薄く非常にデリケートなため、特にシワができやすい部位として知られています。
この目の下のシワは、乾燥や紫外線、加齢といったさまざまな要因が絡み合ってつくられます。
ここでは、目元にシワができる4つの主な原因を紹介します。
考えられる主な原因は、次の4つです。

  1. 乾燥
  2. 紫外線
  3. 表情
  4. 加齢

以上4つを詳しく解説していきます。

乾燥すると皮膚の弾力性が低下する

目のまわりの皮膚は非常に薄く、顔の他の部分よりも皮脂腺が少ないといわれています。
このことから、乾燥しやすいのが特徴です。
乾燥すると皮膚の水分が失われ、弾力性が低下し、シワができやすくなります。

特に冬の乾燥した空気や、エアコンの効いた環境は、皮膚の水分を奪いやすいため注意が必要です。
また、洗顔後に保湿ケアを怠ると皮膚のバリア機能が低下し、さらに乾燥が進んでしまいます。

乾燥を防ぐためには、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が豊富に含まれた化粧品を使用することがおすすめです。

アルコールを含む化粧品やクレンジング剤は、皮膚のバリア機能を破壊し、さらに乾燥しやすい皮膚になってしまう可能性があるため、アルコールフリーのスキンケアを使用して丁寧にアフターケアを行いましょう。

また、体内の水分量が少ないと皮膚に十分な水分が行き渡りません。
こまめな水分補給も乾燥対策になりますよ。

紫外線は皮膚のたんぱく質を破壊する

紫外線は、皮膚のたんぱく質であるコラーゲンやエラスチンを破壊します。

このコラーゲンやエラスチンは、皮膚が持つ弾力性にとって重要な物質。
これが破壊されると、皮膚の弾力性が失われてしまいます。

また、紫外線に含まれるUV-A波は皮膚の深層にまで届き、長時間にわたりダメージを与えるといわれています。
その結果、皮膚は弾力を失い、シワやしみが形成されやすくなってしまいます。

外出する際は、日焼け止めの使用はもちろん、サングラスや帽子を着用して日差しを防ぎましょう。
日傘やアームカバーなども効果的です。
また紫外線は室内にも入り込みます。
休みの日に在宅の際も、紫外線を防ぐために日焼け止めをしっかりと塗ると効果的です。
窓からの直接的な紫外線を防ぐためには、UVカットフィルムやカーテンを使用してみるのも良いでしょう。

表情によってシワが固定される

目元の皮膚は、表情を作るたびに動きます。
笑う、泣く、眩しそうに目を細めるなどの表情をすると、目元の皮膚に繰り返し負担をかけ、シワの原因となります。
特に、笑いジワや目を細める動作によるシワは、頻繁に同じ動きを繰り返すことで固定化しがちです。

私たちは、コミュニケーションを取るときや感情が動いたとき無意識に表情をつくるため、表情をつくるのをなるべく抑える…といった対策はほとんど不可能です。
表情ジワを定着させないことが重要です。
目元の筋肉をリラックスさせたり、定期的なマッサージやアイクリームの使用をしたりなど、なるべくシワを定着させないように意識してみましょう。

年齢を重ねるとシワが出やすくなる

加齢は目の下のシワを形成する大きな原因の1つです。

年齢を重ねると、皮膚のコラーゲンやエラスチンの生成が減少し、皮膚の弾力性が低下します。
また、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が遅くなることで細胞の再生力が下がる、皮膚が薄くなるなどの理由でシワが目立ちやすくなります。

加齢によるシワを防ぐためには、ビタミンCやレチノール、ペプチドやイソフラボンといったアンチエイジング効果の期待できる成分を含んだスキンケア用品を使うのがおすすめです。
これらの成分は、コラーゲンの生成を促進して皮膚の弾力性を向上させたり、皮膚のターンオーバーを促したりといった効果があるため、シワを軽減するはたらきが期待できます。

目の下のシワをなくすには?今すぐにできる6つの対策

目の下のシワは、年齢を重ねたことによる自然な変化と捉えられがちですが、実は日々の生活習慣やスキンケア方法も大きな影響を与えています。
そのため、適切なスキンケアや生活習慣の改善によって、目の下のシワが目立ちづらくなる、シワができにくい肌になるといった効果が期待できます。

ここからは、今すぐに日常生活に取り入れ、実践できる6つの対策を紹介します。

保湿を徹底する

目元の乾燥はシワの原因となるため、目の下のシワ予防には保湿が非常に重要です。

特に乾燥しやすいのが、洗顔後の肌です。
洗顔によって肌はデリケートな状態になっているため、水分を拭き取った後は、すぐに保湿してあげましょう。

洗顔後はなるべく時間を空けず、すぐに化粧水で目元を中心に顔全体をたっぷりと保湿します。
化粧水を塗る時のポイントとして、化粧水はコットンを使用せず、手のひらで優しく押し込むようにして肌に浸透させるのがおすすめです。

手のひらを使うことでコットンによる余計な摩擦をなくし、肌へのダメージを抑えることができます。
また、化粧水を人肌程度に温めることで肌なじみが良くなり、より効果的に浸透させられます。

化粧水を浸透させた後は、保湿成分を含んだ美容液でしっかりと保湿しましょう。
より集中した保湿ケアを行いたい場合は、アイクリームを使用するのもおすすめです。
目の下のシワに直接塗布し、指の腹で優しくマッサージするように馴染ませてください。

そして最後に、乳液やクリームで保湿成分が蒸発しないようしっかりとフタをしてあげましょう。
乾燥が気になる季節は、保湿効果のあるパックやスチーマーを使用してみるのもおすすめです。

また、洗顔前に化粧をきちんと落とすことも大切です。
化粧残りは目元の色素沈着や肌の傷み、老化に繋がります。
ホットタオルで化粧を浮かせて、保湿力の強いクレンジングオイルやクリームを使いこすらずにゆっくりと化粧を落としましょう。

洗顔時にクレンジングをしっかりと洗い流すことも重要です。

紫外線対策を怠らない

紫外線はコラーゲンやエラスチンの生成を阻害するので、シワやたるみの原因になります。
外出の際は徹底した対策が必要です。
外出の際には必ず日焼け止めを塗り、日傘やサングラス、帽子などのアイテムを適切に使用し、直射日光が肌に当たらないように注意しましょう。

また、曇りの日や雨の日、冬の外出でも紫外線は降り注いでいます。
室内にいる場合でも日焼け止めをしっかり塗り、カーテンを閉めたりUVカット機能のある窓ガラスを使用したりすると、室内でも紫外線対策を行えます。

近年では、目元専用のUVカットクリームなども販売されているため、日差しが強い日には取り入れてみるのも良いでしょう。

目元の血行を促進する

目元の血行不良は、クマやたるみ、そしてシワの原因となります。

目の周りの皮膚は薄く、血流も滞りやすいので、意識的に血行を促進してあげることが大切です。
目元の血行を良くするためには、軽いマッサージがおすすめです。

マッサージの際は肌に摩擦を与えないよう、指の腹を使って優しく目の周りに円を描くようにマッサージしてみましょう。
また、温かいタオルを目の上に置いて温めることも血行促進に役立つといわれています。

酸素や栄養素が目の組織に十分に届けられるため、目の下のシワだけでなく、目の疲労回復やクマの改善にも効果が期待できます。
デスクワークやスポーツなど、目を使った日のアフターケアに取り入れてみてください。

さらに顔全体の血行を良くするためには、適度な運動や顔のストレッチも効果的です。

良質な睡眠と食事

美しい肌を保つためには、スキンケアだけでなく、日ごろの生活習慣も重要です。

その中でも、良質な睡眠は肌の再生を促すため、目の下のシワの予防にも欠かせません。

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、細胞の修復や再生を促進し、肌のターンオーバーを活性化させる効果が期待できるといわれています。

そのため、毎日規則正しい睡眠を心がけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。
睡眠時間の目安には個人差がありますが、一般的な成人の場合ですと、6時間〜8時間程度が目安だと言われています。

睡眠しすぎも体によくないので適切な睡眠時間を心掛けましょう。

朝起きた時に、体にだるさや疲労感を感じている場合は、睡眠時間が足りていない可能性があります。
まずは決まった時間に寝て起きる習慣を意識しましょう。
良質で十分な睡眠時間を確保するためには、寝る前のカフェインやアルコールなど目を覚ます食品を避け、寝室を睡眠に適した環境に整えましょう。

また、寝る前にスマートフォンやパソコンを見ると体が昼と勘違いして眠気が覚めてしまうので控えます。
昼間の適度な運動も、眠気を誘い深く良質な睡眠を取る手助けをします。

また、肌の健康にはバランスの取れた食事内容も重要です。
ビタミンCやE、コラーゲン、オメガ3脂肪酸などの栄養素を豊富に含む食べ物は、肌の弾力性を保ち、シワの対策におすすめだといわれています。
主な食材としては、次のようなものが挙げられます。

栄養素 期待できる主な働き 食材
ビタミンC コラーゲン生成を促進し、抗酸化作用を持つ 柑橘類、キウイ、ブロッコリー、ピーマン、トマトなど
ビタミンE 抗酸化作用があり、血行を促進させる ナッツ類、アボカド、枝豆など
タンパク質(コラーゲン) 肌のハリ・弾力を保つ 手羽元、豚足、フカヒレなど
オメガ3脂肪酸 肌の炎症を抑え、ハリを与える 青魚、亜麻仁油、チアシードなど

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)
   農林水産省「食事摂取基準(2020年版)」

もちろん、これらの栄養素を含む食材だけを摂取すれば良いというものではありません。
あくまでも栄養バランスのとれた食事の中で、これらの栄養を積極的に摂取していくことが前提となります。
肉や魚、野菜、果物などをバランスよく摂取し、栄養バランスが偏らないように注意しましょう。

喫煙を控える

喫煙は皮膚の血行を悪化させ、コラーゲンの生成を阻害するおそれがあります。

また、タバコに含まれる有害物質が肌の老化を早め、目の下のシワがさらに深くなってしまう、できやすくなってしまう可能性もあります。
そのため、禁煙することで血行が改善され、肌の健康が保たれやすくなります。

また、タバコの煙が直接肌に触れることも乾燥や肌へのダメージの原因となるため、喫煙者の周りにいる場合も注意が必要です。
喫煙は目の下のシワだけでなく、身体のさまざまな病気の原因となる可能性があるため、極力控えるようにしましょう。

表情に気を付ける

日常的な表情の動きも目の下のシワを形成する原因のひとつです。
笑う、泣く、眩しそうにするなどの動作が繰り返されることで、皮膚に小さなシワができ、それが固定化されることでシワとなります。

そのため、意識的に目元の筋肉をリラックスさせることが重要です。
定期的に目元のストレッチやマッサージを行うと、筋肉の緊張をほぐしてあげられますよ。

また、パソコンやスマートフォンを長時間使用する際は、適度に休憩を取って目を休ませることも大切です。
表情というのは無意識のうちに作られるため、対策が難しい部分ですが、少しずつ意識してみましょう。

1つでも当てはまったら要注意!やってしまいがちなNG行為6選

ここまでは、目元にシワが発生する原因やおすすめの対策方法を解説しました。
しかし、実は日常生活における何気ない行為が、シワの発生に影響を与えてしまっている場合があります。

これからは、ついやってしまいがちなNG行為を6つ紹介します。

エアコンや扇風機の風を直接受ける

夏場や冬場はエアコンや扇風機を使用する機会が増えますよね。
これらの風をつい自分の方へ風を向けてしまっている人も多いと思います。

しかし、エアコンや扇風機の風を直接肌に当ててしまうと、肌の水分が奪われてしまい、乾燥してしまいます。
特に、目の周りの皮膚は非常に薄く、乾燥しやすい部位です。
風にあたると皮膚が乾燥しバリア機能が失われ、結果として肌の弾力性が失われ、シワが形成されやすくなるおそれがあります。

寝る際は、エアコンや扇風機の風向きが自分に当たらないよう、調整するようにしましょう。

入浴の際、シャワーの水を直接顔に浴びる

シャワーの水を顔に直接浴びることも目の下のシワに影響を与えます。

シャワーの水圧は一見弱く、肌にダメージがなさそうに見えますが、目元の薄く敏感な皮膚にとっては想像以上に強いのです。
洗顔を流す際などにシャワーの水を直接浴びてしまうと、肌へ負荷がかかります。
洗顔の際はぬるま湯を手ですくい、優しく洗顔するように注意しましょう。

スマートフォン操作時の位置が低い

スマートフォンを操作するときのスマホの位置にも注意が必要です。
スマートフォンを低い位置で操作すると、下を向く必要がありますよね。
この際に顔の筋肉が常に下方向に引っ張られ、シワやたるみの原因となる可能性があります。
スマホを使用する際は、皮膚がたるまないよう、なるべく目線と同じ高さで操作するように注意しましょう。
また、スマホの長時間使用は目の下のシワだけでなく、視力にも悪影響を与えますので、使用時間にはくれぐれも気をつけましょう。

高い枕で寝る

高い枕で寝ると、顔の皮膚に圧力がかかり、寝ている間に皮膚が引っ張られてしまいます。
この状態が続くと、皮膚の弾力性が失われ、シワが形成されてしまう可能性があるのです。
また、枕の高さが不適切だと、首や肩の筋肉にも余計な負担がかかってしまい、全体的に体のバランスが崩れ、さらにシワが目立つ原因にもなりかねません。
また、良質な睡眠を妨げてしまう可能性もあります。
睡眠は肌だけでなく、体全体の健康を保つ上でも重要ですので、自分に合った高さの枕を使用するようにしましょう。

必要以上にマッサージする

目の下のシワを防ぐために、血行を促進するマッサージがおすすめであるとお伝えしましたが、やりすぎには要注意です。
基本的に、血行促進のためのマッサージは、起床後の朝と入浴後の夜の2回が推奨されています。

血行をさらに良くしたいという思いから、必要以上にマッサージを行ってしまうと、摩擦による肌ダメージで逆効果になってしまうリスクが高まります。

また、効果を出そうと強い力でマッサージをすることも逆効果です。
やりすぎにはくれぐれも注意しましょう。
また、マッサージを行なう際には乳液やクリームなどで滑りを良くし、肌に余計な摩擦がかからないようにすることも大切です。

メイクの際に肌を擦る

メイクをする際にも注意が必要です。

メイクをする際、人は自分が思っている以上に強い力で肌に触れています。
特に、アイメイクの際にはアイシャドウチップやブラシなどで目元を強く擦りがちで、目の周りの細かいシワを引き起こす原因となってしまいます。
また、メイクを落とす際に強くこすったり、長時間クレンジング剤を放置したりすると、肌のバリアが損なわれ、シワができやすくなる可能性があります。
メイクをしたり落としたりする際には、普段以上に優しい力で顔に触れることを意識し、余計な負荷が肌に加わらないように心がけましょう。

セルフケアで改善が難しい場合

ここまで紹介したように、目の下のシワは日々の生活習慣やケアを改善することで対策することができます。
しかし、進行の度合いによっては、セルフケアや生活習慣の改善だけでは、シワを改善できない場合があります。

そのような場合におすすめなのがクリニックでの治療です。
クリニックでの治療内容は多岐に渡りますが、自分の肌の状態や治療内容、医者とのカウンセリングを通して自分に合った治療法を選ぶことで、自分の肌悩みに適切にアプローチすることができますよ。

目の下のシワにアプローチできる主な治療として、ヒアルロン酸注射やボトックス注射、レーザー治療などが挙げられます。
これらの美容治療はシワが目立ちにくくなる、なくなるといった大きなメリットがありますが、リスクや痛みも伴うことがありますし、コストも高いです。

そのため、まずはホームケアや日常生活で取り組めるケアから始めてみることをおすすめします。

目の下のシワの予防には日々の習慣が大切

目の下のシワは、加齢による自然な変化と捉えられがちですが、実は日々の生活習慣やスキンケアも原因として挙げられます。

特に、時間に追われる現代社会では睡眠や食事を軽視しがちですので、まずは基本的な生活習慣を整えるように、意識していきましょう。

目の下のシワが目立ってきてしまっても、もう遅いと諦めずにまずは今からできるセルフケアや対策から始めていき、年齢に負けない若々しい肌を手に入れましょう。