ビタミンCは野菜や果物に多く含まれているビタミンです。

13種類あるビタミンの中でも、一度は「ビタミンC」という名称を聞いたことがある方は多いでしょう。

健康や美容に対して意識が高い方であれば、毎日のビタミンCの摂取が重要なことは理解しているでしょう。

ただし、1日にどれくらい摂取すればよいか自信を持って言える人は案外少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、ビタミンCは1日にどのくらい摂取すればよいのかなど、ビタミンCについて徹底解説します。

1日に摂取するビタミンCはどのくらい?

ビタミンCは体内で合成できないため、食物から摂取する必要があります。

ただ、1日にどのくらい摂取すればよいかがきちんと理解していない方が多いのではないでしょうか。

以下では、国が推奨する食事摂取基準を参考にして、1日に摂取するビタミンCについて解説します。

男女別の1日に摂取するビタミンCの食事摂取基準

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人が1日に摂取するビタミンCの推奨量は男女ともに100mgとなっています。以下の表は、年齢別の詳細です。

年齢等 推定平均必要量(mg/日) 推奨量(mg/日) 目安量(mg/日)
0〜11(月) 40
1〜2(歳) 35 40
3〜5(歳) 40 50
6〜7(歳) 50 60
8〜9(歳) 60 70
10〜11(歳) 70 85
12〜64(歳) 85 100
65以上(歳) 80 100
妊婦(付加量)※女性のみ 10 10
授乳婦(付加量)※女性のみ 40 45

参照:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)

<表内の用語について>
・推定平均必要量:半数の者が必要量を満たす量
・推奨量:ほとんどの者が充足している量
・目安量:一定の栄養状態を維持するのに十分な量

推定平均必要量は、ビタミンC欠乏症の壊血病を予防するに足る最小必要量からではなく、心臓血管系の疾病予防効果および抗酸化作用の観点から算定しています。

妊娠中や授乳中の方に付加量が設定されているのは、胎児の発育に必要な量や母乳から失う量が考慮されているためです。通常より多くのビタミンCを摂取することが推奨されています。

また、ビタミンCの1日あたりの平均摂取量は94mgとなっています。

参照:厚生労働省|国民健康・栄養調査(令和元年)

喫煙者はビタミンCの摂取を増やしたほうがよい?

喫煙者は、非喫煙者よりもビタミンCの必要性が高いといわれています。

ビタミンCの必要性が高いのは、受動喫煙者も同様です。

参照:National Library of Medicine|On the requirements of ascorbic acid in man: steady-state turnover and body pool in smokers/National Library of Medicine|Reduced plasma ascorbic acid concentrations in nonsmokers regularly exposed to environmental tobacco smoke

ビタミンCを多く摂取するのであれば、受動喫煙に注意しながら禁煙するのが基本的対応です。喫煙するのであれば、同年代の推奨量以上にビタミンCの摂取が必要となります。

ビタミンCを1日に1,000mg以上摂ってもよい?

インターネットで検索すると、「美容や健康のために、ビタミンCは1,000mg以上必要」「アンチエイジングのために、ビタミンCは2,000mg以上の摂取を推奨」などと書かれているサイトがあります。

ビタミンCには耐容上限量(健康被害をもたらすリスクがないとされる上限の摂取量)の定めがないため、1日に1,000mg以上のビタミンCを摂取しても問題ないでしょう。

ただし、ビタミンCの吸収率を考えても、ビタミンCを1日に1,000mg以上摂ることはおすすめできません。

尿路結石の既往のある患者が2,000mg以上のビタミンCを摂取すると、尿中シュウ酸排泄量や尿中ビタミンC排泄量が増加したという研究結果もあります。

参照:National Library of Medicine|Effect of ascorbic acid consumption on urinary stone risk factors

1日のビタミンCの摂取量についてさまざまな説が出ていますが、国が推奨している量は男女ともに100mg/日ということを頭に入れておきましょう。

また、相性の良い成分(鉄やビタミンEなど)と一緒に摂取したりリポソーム化されたものを選んだりするとよいでしょう。

※リポソーム化:医薬品技術を応用し、細胞と似た成分でできた膜で成分を包むことで、消化液や酸化から内包されている成分を保護する技術

サプリメントや栄養補助食品でビタミンCを摂取する場合の注意点

ビタミンCのサプリメントや栄養補助食品は、市販されていることもあり誰でも簡単に購入できます。

普段から野菜や果物の摂取が不足していると考えている方からすると、サプリメントは貴重なビタミンCの摂取源となるでしょう。

ただ、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」には、以下のように書かれています。

「ビタミンCの摂取量と吸収や体外排泄を検討した研究から総合的に考えると、通常の食品から摂取することを基本とし、通常の食品以外の食品から1g/日以上の量を摂取することは推奨できない」
引用:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)

これを踏まえると、ビタミンCは基本的に通常の食品から摂取を意識した方がよいでしょう。

また、サプリメントからビタミンCを摂取する場合は、既定の摂取目安量以上の服用を控えましょう。

ビタミンCについて詳しく解説!

ここまで1日のビタミンCの摂取量について解説してきましたが、そもそもビタミンCはどのようなビタミンなのでしょうか。

以下では、ビタミンCについて詳しく解説します。

そもそもビタミンとは?

ビタミンは、3大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)のように、エネルギー源や身体の構成成分にはなりません。

ただ、身体の機能を正常に維持するためには必要不可欠といえる物質です。「生命」を意味するラテン語「VITA」が語源といわれています。

2024年現在、人間に必要不可欠なビタミンは13種類です。いずれも必要量はごくわずかではありますが、食べ物から摂取しないとそれぞれのビタミンに特有の欠乏症を引き起こすといわれています。

ビタミンは「脂溶性ビタミン」と「水溶性ビタミン」の2種類に分類できます。以下の表は、種類とおもな特徴を示したものです。

種別 種類 おもな特徴
脂溶性ビタミン ビタミンA
ビタミンD
ビタミンE
ビタミンK
おもに肝臓や脂肪組織に蓄積される
過剰摂取すると、頭痛や吐き気などの過剰症を引き起こす
水溶性ビタミン ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸)
ビタミンC
血液などの体液に溶け込んでいて、過剰摂取しても体内に蓄積されず余分なものは尿として排出される
こまめに摂取していく必要がある
体内のさまざまな代謝の補酵素として働く

参照:厚生労働省|e-ヘルスネット ビタミン

ビタミンCとは?

水溶性ビタミンの一つであるビタミンC(化学名「アスコルビン酸」)は、16世紀〜18世紀にかけての大航海時代に船員たちの間で流行った「壊血病」の予防成分として発見された成分です。

ビタミンCを体内で合成できる動物もいますが、人間は体内でビタミンCを合成できる酵素を持ち合わせていません。

そのため、ビタミンCを食べ物から摂取する必要があります。

ビタミンCのおもな効果・働き

ビタミンCのおもな効果・働きを、以下では3つ紹介します。

1.皮膚や細胞のコラーゲンを合成

コラーゲンとは、皮膚や血管、腱、歯などの組織に存在する繊維状のたんぱく質です。

身体を構成するたんぱく質の約30%を占めます。組織や細胞をつなぎ合わせる接着剤のような役割があるため、体の形成や機能の正常化に不可欠な成分といってよいでしょう。

ビタミンCが不足するとコラーゲンの合成ができなくなります。
そのため血管がもろくなって出血傾向となり、日本ではまれではあるものの、壊血病となるリスクが生じます。

2.抗酸化作用

ビタミンCには、活性酸素を取り除き酸化の働きを抑える抗酸化作用があります。

体内ではビタミンEと協力して、活性酸素を消去して細胞を保護しています。

人間が生きていくためには酸素が必要です。

ただ、体内に取り込んだ酸素の一部はほかの分子と結びついて高い酸化力をもつ活性酸素となります。

微量であれば人体にとって有用に働く活性酸素ですが、大量に生成されると過酸化脂質を作り出し、動脈硬化やがん、老化・免疫機能の低下などを引き起こすリスクがあります。

3.鉄の吸収を促進

ビタミンCは、鉄の吸収を促進します。

鉄は人間に必要なミネラルの一つで、赤血球内のヘモグロビン内に多く存在します。

鉄不足は、貧血(赤血球の数が減り、酸素の供給が十分にできない状態)の原因になります。

特に女性は月経血による損失と妊娠中の需要増大が鉄の必要量に及ぼす影響は大きいといえるでしょう。

貧血の症状例としては、集中力の低下、頭痛、食欲不振などがあります。

参照:厚生労働省|e-ヘルスネット 鉄

ビタミンCが多く含まれている食材

ビタミンCが多く含まれているのは、果実類、野菜類、いも及びでん粉類、嗜好飲料類です。

以下では、ビタミンCが多く含まれている食材をまとめています。

食材名 可食部100gあたりに含まれているビタミンC量(mg)
アセロラ/酸味種/生 1,700
青汁/ケール 1,100
せん茶/茶 260
グァバ/白肉種・赤肉種/生 220
トマピー/果実/生 200
赤ピーマン/果実/生 170
めキャベツ/結球葉/生 160
ブロッコリー/花序/焼き 150
キウイフルーツ/黄肉種/生 140
なずな/葉/生 110
レモン/全果/生 100
かき/甘がき/生 70
いちご/生 62

参照:文部科学省|食品成分データベース
※ビタミンCの含有量ランキングを参照して記載

バランスのよい食事ができていれば、健康上の支障が出る程度ビタミンCが不足することはないでしょう。

ただ、厚生労働省の「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病などを予防し、健康な生活を維持するための目標値の一つとして「野菜類を1日350g以上食べましょう」と掲げられています。

それに対して、厚生労働省の「国民健康・栄養調査(令和元年)」の野菜類平均摂取量を見ると、成人男性で約280g、女性で約260gとなっています。

目標値に達していないのが現状なので、意識しないと十分に食べられていないといえるでしょう。

目標値に達していない理由として、軽食で済ませること(おにぎりやパンなど)やゆっくりと食事の時間を確保できずにコンビニ食などで済ましてしまうことなどが考えられます。

野菜類や果実類を積極的に摂取することはビタミンCの摂取だけではなく、不足しがちなミネラルや食物繊維の摂取にもつながります。

野菜類や果実類を摂ることは食生活の見直しにもなるため、この機会に意識して取り組んでみるのもよいでしょう。

ビタミンCが不足するとどうなるのか?

野菜や果物が不足した食生活を送っていると、ビタミンC欠乏症になる可能性があります。

具体的には、壊血病です。

現状の日本ではまれであるものの、ビタミンCの摂取がとても大事だという理由の一つとなるでしょう。

壊血病のおもな症状は、以下のとおりです。

  • 疲労倦怠
  • イライラ
  • 顔色が悪い
  • 皮下や歯茎からの出血
  • 貧血
  • 筋肉減少

ビタミンC欠乏症にならないようにするため、以下に挙げる状態に該当するときは注意が必要です。

身体が必要とするビタミンCの量と、ビタミンC欠乏症のリスクが増大する可能性があります。

ビタミンCを適切な量とれているかどうか心がけましょう。

  • 妊娠
  • 母乳哺育
  • 高熱や炎症を引き起こす病気
  • 甲状腺機能亢進症(甲状腺の活動が過剰になった状態)
  • 長期間続く下痢
  • 手術
  • 熱傷(やけど)
  • 喫煙

参照:MSDマニュアル 家庭版|ビタミンC欠乏症

野菜・果物以外でのビタミンCの取り方

ビタミンCを普段から不足しないようにするためにはどのような工夫ができるでしょうか。

先程の章では、ビタミンCが多く含まれている食材をご紹介しました。
野菜や果物などの食材を摂ることが難しいという方向けに、簡単にビタミンCを取る方法をご紹介します。

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  • 価格:1,780円~2,280円
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美容と健康のためにビタミンCをこまめに摂ることを意識しよう

今回は、ビタミンCは1日にどのくらい摂取すればよいのかなど、ビタミンCについて徹底解説しました。

巷ではさまざまな情報が流れているため、どの情報を信じればよいかわからなくなり不安になることもあるでしょう。

その中でも国が推奨しているビタミンCの情報(1日の摂取推奨量は100mg)を覚えておきましょう。

食べ物から摂取することが基本ですが、難しい場合はサプリメントや栄養補助食品などの摂取も検討するとよいでしょう。

ただし、サプリメントや栄養補助食品から摂取する場合は、既定の摂取目安量以上の服用を控えましょう。

ビタミンCは、美容にも健康にもとても大事な栄養素です。
こまめに摂ることを意識して、毎日の生活に取り入れてください。