毛穴の開きを改善するには？原因とおすすめケア方法を解説

毛穴の開きは、誰もが1度は経験する肌悩みの1つです。

特に、鼻や頬などの皮脂分泌が多い部分は毛穴が目立ちやすく、化粧崩れの原因にもなります。

毛穴の開きにはさまざまな原因があり、適切なケア方法を理解することが重要です。
本記事では、毛穴の開きの主な原因と、それを改善するためのおすすめのケア方法について詳しく解説していきます。

日常のスキンケアに取り入れることで、毛穴の悩みを軽減し、より健康で美しい肌を手に入れましょう。

毛穴の開きを引き起こす6つの原因

毛穴が目立つことで悩む人は多く、特に顔のTゾーンや頬にその悩みが集中していることが一般的です。

毛穴の開きを引き起こす原因は多岐にわたりますが、ここでは毛穴の開きを引き起こす代表的な6つの主な原因について詳しく説明します。

毛穴の開きを引き起こす主な原因は、次の6つです。

①皮脂の過剰分泌
②角栓
③紫外線
④肌の乾燥
⑤加齢
⑥表情

順に解説していきます。

①皮脂の過剰分泌

皮脂は肌を保護し、潤いを保つために必要な物質ですが、過剰に分泌されると毛穴の開きの原因となります。

特に、思春期やホルモンバランスの乱れがある時期には、皮脂腺が活発になりやすく、Tゾーンを中心に皮脂が多く分泌されます。

この過剰な皮脂が毛穴に詰まると、毛穴を広げる原因となるのです。適切な洗顔や皮脂コントロールが大切ですが、過度な洗顔は逆効果になる可能性があるため、バランスを保つことが重要です。

②角栓

角栓は、皮脂と古い角質が毛穴に詰まって固まったものです。

この角栓が毛穴を塞ぐことで、皮脂が外部に排出されにくくなり、毛穴が開く原因となります。

さらに、角栓が毛穴内に留まることで、毛穴周囲の皮膚に炎症を引き起こす可能性もあるため、適切なクレンジングと洗顔で角質を除去することが大切です。

角質ケアにはピーリングや酵素洗顔などもおすすめですが、頻繁に行うと肌に負担をかけるため、製品の使用頻度を守りましょう。

③紫外線

紫外線は、肌に多くのダメージを与えますが、毛穴の開きにも影響を与えるといわれています。

紫外線はコラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を保つ成分を破壊し、これによりたるんだ皮膚が、毛穴を広げてしまう可能性があるのです。

さらに、紫外線は皮膚のバリア機能を損ない、炎症を引き起こす可能性があります。

炎症が続けば、皮脂の分泌が増加し、それによって角栓が毛穴を塞ぐことが多くなります。結果として、毛穴が拡張する原因となることがあります。

日常的な紫外線対策として、日焼け止めの使用や帽子、サングラスの着用がおすすめです。また、UVカットのファンデーションやパウダーを使うことで、紫外線から肌を守ることにもつながります。

④肌の乾燥

乾燥した肌は、バリア機能の低下により水分を保つ力が弱まり、肌が引き締まらなくなるため、毛穴が開きやすくなります。

また、乾燥した肌は角質層が厚くなりやすいだけでなく、乾燥を補おうと皮脂が多量に分泌されるため、毛穴がさらに目立つようになってしまうのです。

そのため、肌の保湿が極めて重要になります。夏場であっても洗顔後は時間を空けず、なるべくすぐに化粧水や保湿クリームを使用し、肌の潤いを保つようにしましょう。

乾燥が厳しい季節には加湿器を使用し、室内の湿度を適切に保つことも乾燥対策としておすすめです。

⑤加齢

年齢を重ねるとともにコラーゲンやエラスチンの生成が減少し、肌の弾力が失われるといわれています。

その結果、皮膚にたるみが生じやすくなり、毛穴の周囲の皮膚が引っ張られることで、毛穴が開きやすくなってしまうのです。

また、加齢に伴い皮膚のターンオーバーが遅くなるため、角質が毛穴に詰まりやすくなるのも原因の1つとして挙げられます。

エイジングケア対策として、ビタミンCやレチノールなどの成分を含む美容液を使用することがおすすめです。

また、規則正しい生活習慣やバランスの取れた食事も、肌の老化を遅らせるためにとても大切なので、日々の生活の中で意識していきましょう。

⑥表情

表情筋の動きによっても毛穴が開く可能性があります。

この現象は「表情毛穴」と呼ばれ、表情による皮膚の伸縮が原因で起こります。

表情によって顔の筋肉が繰り返し動くと、皮膚の弾力を保つコラーゲンやエラスチンが徐々に破壊され、たるみやすくなり、毛穴が開いてしまいます。

特に、額や眉間、口元の表情筋が頻繁に動くことで、これらの部位の毛穴が開きやすいです。

表情の動きが激しい人は、筋肉の緊張を和らげるために適度なマッサージやストレッチを行うと良いでしょう。

参考：品川スキンクリニック

肌質別毛穴開きのケア方法

毛穴の開きとひとくちにいっても、適切なケア方法は肌質によってそれぞれ異なります。

乾燥肌、脂性肌、混合肌など、各肌質に合わせた適切なケアを行うことで、効率的に毛穴の悩みを軽減することができます。

ここでは肌質別に次の4つに分類し、それぞれに適切なケア方法を紹介します。

①脂性肌（オイリー肌）
②混合肌
③乾燥肌
④敏感肌

①脂性肌（オイリー肌）

脂性肌は皮脂の分泌が多いため、ほかの肌質よりも毛穴が詰まりやすく、開きやすい傾向にあります。

そのため、余分な皮脂をコントロールするために、朝晩しっかりと洗顔料を使用した洗顔を行いましょう。

ただし、脂性肌だからといって、洗浄力の強い洗顔料を使用することはおすすめできません。

洗浄力の強い洗顔料は、必要な皮脂まで過剰に除去してしまい、逆効果となる恐れがあります。

また、過度な洗顔も逆効果となる可能性があるため、注意が必要です。

基本的に洗顔は朝晩の2回のみで十分とされています。夏場は汗をよくかくため、つい何度も顔を洗いたくなりがちですが、洗いすぎにはくれぐれも注意しましょう。

そして、洗顔後は皮脂吸収効果の期待できる化粧水や乳液を使用し、軽いテクスチャーの保湿剤を選ぶことがおすすめです。

②混合肌

混合肌は、顔の部位ごとに異なるケアが必要な、難しい肌質です。

Tゾーン（額、鼻、顎）は脂性肌の特性を持ち、頬や目元は乾燥しやすい傾向があります。

そのため、部分的に異なるスキンケア製品を使い分けることが重要です。

Tゾーンには、油分を抑える効果が期待できる、さっぱりとした化粧水や乳液を使用し、余分な皮脂をコントロールします。

一方、乾燥しやすい頬や目元の部分には、保湿力の高い化粧水やクリームを使い、しっかりと水分を補給しましょう。

肌に負担をかけない低刺激のクレンジングと洗顔を行い、肌の水分と油分を適切に補給してあげることが大切です。

③乾燥肌

乾燥肌は、バリア機能が低下しやすく外部刺激に対して敏感なため、徹底した保湿ケアが欠かせません。

洗顔後はすぐに保湿化粧水をたっぷりと使い、肌に水分を補給し、その後は保湿クリームやオイルを使用し、水分をしっかりと閉じ込めてあげます。

この際、セラミドやヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分が配合された製品を選んでみると良いでしょう。

また、加湿器を使って室内の湿度を保つことや、水分を多く含む食事や飲み物を摂取することで、内側からも潤いを補給することもおすすめです。

さらに乾燥が気になる場合は、定期的にフェイスマスクを使用することで、集中保湿ケアを行うと良いです。

④敏感肌

敏感肌は外部刺激に弱く、赤みやかゆみが出やすいため、慎重なケアが必要となってきます。

そのため、低刺激で保湿力の高いスキンケア製品を選ぶことが重要です。

アルコールや香料、合成着色料が含まれていない製品を使用し、肌への負担を最小限に抑えましょう。

また、洗顔の際は刺激を与えないよう優しく行い、摩擦を避けるために泡立てた泡で顔を包み込むように洗います。

洗顔後は時間をなるべく空けず、敏感肌用の化粧水や乳液、クリームなどで保湿をしっかり行い、肌のバリア機能を高めてあげることが大切です。

セラミドやアミノ酸などの保湿成分が含まれた製品を選ぶと良いでしょう。また、外出時には紫外線対策を徹底し、肌を外部刺激から守ることも大切です。

参考：
はなふさ皮膚科‐毛穴ケア (はなふさ皮膚科・美容皮膚科東京・埼玉・大阪・京都に12院展開)
タカミクリニック‐毛穴の開き対策 (Takami Clinic)

毛穴の開きが悪化するNG行為5選

実は、日常のちょっとした習慣が毛穴の悪化を招いている可能性があります。

ここでは、毛穴の開きが気になる方が、ついやってしまいがちなNG行為を5つ紹介します。

5つのNG行為は次の通りです。

①熱いお湯でゴシゴシ洗顔する
②洗顔後すぐに保湿しない
③角質ケアをやりすぎる
④顔を触る
⑤ピーリング剤などの刺激が強い製品を使う

①熱いお湯でゴシゴシ洗顔する

熱いお湯で洗顔をしてしまうと、肌の皮脂や水分を取りすぎてしまうことで肌が乾燥し、毛穴が詰まりやすくなる可能性があります。
また、肌のバリア機能が弱まり、逆に皮脂分泌が増えることで、毛穴が目立つ原因にもなりかねません。

洗顔の際はぬるま湯を使い、摩擦を与えないように優しく洗顔することが大切です。洗顔時の温度は、一般的に人間の体温程度（36℃前後）が適温とされています。

②洗顔後すぐに保湿しない

洗顔後は、肌が水分を失いやすい状態にあります。
この状態が持続すると、肌のバリア機能が低下し、皮脂の過剰分泌や肌の乾燥が進むことで、毛穴が開くことにつながります。

洗顔後は速やかに保湿を行い、肌に必要な水分を補充することが大切です。

この際、洗顔後に顔の水分をしっかりと拭き取ってから化粧水を塗布するように注意してください。

顔表面に水分が残ったまま化粧水や美容液を使用してしまうと、顔の余分な水分が保湿成分を弾いてしまい、十分な保湿効果が得られない可能性があります。

洗顔後、まずは顔の水分をタオルで擦らないようにしっかりと拭き取り、その後時間をあけずに化粧水や美容液で保湿を行うようにしましょう。

③角質ケアをやりすぎる

過剰な角質ケアは、かえって肌を傷つけることがあります。例えば、強いピーリング剤や粒子が大きいスクラブ剤で肌を磨きすぎると、肌のバリア機能が弱まり、毛穴の詰まりや炎症を引き起こす可能性が高いです。

一般的に、角質ケアを行う頻度は週に1〜2回程度が目安とされていますが、肌質や季節によって適切な頻度は異なってきます。

ケアを始める前に、一度皮膚科やクリニックでご自身の肌質や適切な頻度を聞いてみることをおすすめします。

④顔を触る

人は無意識のうちに、1時間に平均20回以上顔を触っているといわれています。

そして私たちの手は、ドアノブを触ったり、電車に乗ったり食事をしたりする中で、目に見えない汚れや雑菌がたくさん付着しています。

この不衛生な手で顔を何度も触ってしまうと、汚れや細菌が毛穴に詰まってしまい、皮脂と混ざり合うことで、毛穴の開きやニキビ、吹き出物の原因となるのです。

また、顔に触れることによる摩擦も、毛穴を広げてしまう大きな原因となる可能性があります。
特に、目をこすったり、鼻を触ったりする習慣は肌への摩擦が大きくなり、毛穴を傷つけてしまうため、注意が必要です。

極力顔には触れないよう、日々の生活の中で意識してみましょう。

⑤ピーリング剤などの刺激が強い製品を使う

ピーリング剤は、ターンオーバーが遅れた古い角質を優しく取り除くことで、肌の表面を整えるアイテムです。

しかし、肌への刺激が強いピーリング剤を使うと、肌の表面を荒らしてしまい、毛穴の開きが悪化する可能性があります。
ピーリング剤を使用する際は、肌への刺激がなるべく少ない製品を選び、使用頻度や使い方を正しく守ることが重要です。

また、ピーリング後は肌が乾燥しやすくなるので、保湿クリームや乳液で保湿ケアを徹底しましょう。

今すぐできる！毛穴の開きを予防するための4つの対策

毛穴の開きは、日常生活の中で簡単に取り入れることができる対策を行うことで、改善が期待できます。
今回は次の4つのポイントに焦点を当て、それぞれの具体的な方法を紹介します。

①保湿を入念に行う
②紫外線対策の徹底
③適切なクレンジングと洗顔
④食事・睡眠の見直し

①保湿を入念に行う

毛穴の開きを予防するためには、保湿が非常に重要です。

乾燥すると肌のバリア機能が低下し、毛穴が開きやすくなります。保湿する際は、以下の手順で入念な保湿ケアを行いましょう。

(1)洗顔後、時間を空けずにすぐに化粧水を使用し、肌に潤いを与える

洗顔後、時間を空けすぎてしまうと肌が乾燥し、毛穴が広がる原因になります。

顔の水分を拭き取った後はすぐに化粧水で保湿しましょう。
この際、化粧水はコットンを使うよりも手のひらで優しく、押し込むようにして肌に浸透させるのがおすすめです。

顔全体を包み込むようにして温めるとさらに良いです。

(2)保湿成分を含む美容液を取り入れる

化粧水の後には、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿成分を含む美容液を取り入れることがおすすめです。

これらの成分は肌の水分保持力を高め、潤いを持続させる働きがあるといわれています。
適量を手に取り、顔全体に均等に広げるように優しく塗布しましょう。

(3)保湿クリームや乳液を使用して、肌にフタをする

美容液を塗った後は、美容成分が逃げないよう、保湿クリームや乳液を使用して肌にフタをしてあげることが大切です。

これにより、水分の蒸発を防ぐことができます。クリームは少量ずつ取り、肌に押し込むようにして塗布します。特に目元や口元など、乾燥しやすい部分には重点的に塗り込むと良いです。
乳液は肌全体に広げるようにして、柔らかくマッサージするように塗布しましょう。

また、これらの基本的な保湿ケアに加えて、定期的に保湿マスクやパックを取り入れることもおすすめです。

週に1〜2回、スペシャルケアとしてシートマスクを使用することで、肌にたっぷりと潤いを与え、保湿効果を高めることが期待できます。

乾燥しやすい冬場やエアコンが効いている室内では、加湿器を使用するなどして、適切な湿度を保つことも重要です。

②紫外線対策の徹底

紫外線は肌に大きなダメージを与え、毛穴の開きを助長する可能性があります。

そのため、紫外線対策を徹底することが必要です。まず、外出時には日焼け止めを必ず使用しましょう。

一般的に、日焼け止めはSPF30以上のものを選び、2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されています。
外出の際には、帽子やサングラス、日傘などを活用して直接紫外線が肌に当たることを避けることも大切です。

また、紫外線は室内にも入り込みます。そのため、家で過ごす際も、紫外線を防ぐために日焼け止めをしっかりと塗るようにしましょう。

窓からの直接的な紫外線を防ぐためには、UVカットフィルムやカーテンを使用してみるのも良いでしょう。

これらの対策を徹底することで、肌の老化を防ぎ、毛穴の開きを予防していきましょう。

③適切なクレンジングと洗顔

毛穴の開きを防ぐためには、毎日のクレンジングと洗顔が欠かせません。
まず、メイクや汚れをしっかりと落とすために、オイルやバームタイプのクレンジングを使用することをおすすめします。

これにより、毛穴の奥の汚れまでしっかりと取り除きやすくなります。

その後、泡立てネットを使って洗顔料をよく泡立て、優しくマッサージするように洗顔しましょう。

この際、ゴシゴシと擦らないように要注意です。肌への摩擦は、毛穴開きの大きな原因になります。
また、洗顔時の水温が高いと肌への刺激になるため、注意しましょう。

洗顔後はぬるま湯でしっかりとすすぎ、タオルで優しく押さえるようにして水分を拭き取り、すぐに保湿ケアを行いましょう。

④食事・睡眠の見直し

栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠は、毛穴だけでなく、肌全体を健康に保つ上で欠かせません。

（1）食事
まず食事については、ビタミンAやC、Eを豊富に含む食品を摂取することが大切です。

ビタミン類には、肌のターンオーバーを促進し、古い角質が溜まるのを防ぐ働きがあるといわれています。
また、ビタミン類には抗酸化作用もあるといわれており、肌のコラーゲン生成を助け、肌の弾力を保つために必要な成分でもあります。

各ビタミンを豊富に含む主な食材は、次の表の通りです。

ビタミン名	期待できる主な働き	食材
ビタミンA	肌のターンオーバーを促進し、古い角質が溜まるのを防ぐ	にんじん、ほうれん草、レバーなど
ビタミンC	抗酸化作用があり、肌のコラーゲン生成を助ける	柑橘類、キウイ、パプリカなど
ビタミンE	血行を促進し、肌の新陳代謝を高める	アーモンド、かぼちゃ、アボカドなど