「記憶力を上げたい」などと悩んでいる人もいるでしょう。
記憶力が高まれば、以前よりも少ない勉強時間で多くの情報を覚えられます。
余った時間をプライベートに充てて人生を充実させることだって可能です。

そんな、魅力溢れる「記憶力」ですが、鍛えるにはコツが必要です。
闇雲にトレーニングしても、目標とする記憶力は手に入らないかもしれません。

記事では、記憶力を上げる方法やおすすめの食べ物、記憶力が低下する原因などを解説するので参考にしてください。

記憶力の仕組みと種類

記憶力とは、出来事や情報などを覚えておくための能力のことです。

記憶力への理解を深めるためにも、まずは以下の情報についての知識をおさえておきましょう。

  • 記憶のメカニズム
  • 記憶力の種類
  • 暗記力と記憶力は違う

それぞれ解説します。

記憶のメカニズム

記憶は以下のプロセスで成り立っているといわれています。

①覚える②記憶に保存する③思い出す(アウトプット)

まず、脳に取り込まれた情報は海馬に記憶されます。そして、記憶された情報は脳に貯蔵されます。そして、必要なタイミング(問題に回答するなど)で記憶していた情報が呼び起こされます。
以上が、記憶のメカニズムです。脳内で一連のプロセスが瞬時に行われていることを考えれば、人間の脳の偉大さに驚かされますね。

記憶力の種類

記憶力には大きく「短期記憶」と「長期記憶」の2種類あります。それぞれの特徴を以下の表で解説しているので参考にしてください。

記憶の種類 役割
短期記憶 数秒〜数分単位で記憶する領域です。必要な記憶はほかの部位に転送して保存されます。貯蔵には限界があるとされています。
長期記憶 長期的(永続的)に記憶する領域です。長期的な記憶の「形成」は側頭葉(海馬)で行われ、最終的に大脳皮質のさまざまな領域に保存されます。貯蔵には限界がないとされています。

暗記力と記憶力は違う

暗記力と記憶力は混合されがちですが、両者には明確な違いがあります。

暗記力とは、新しい情報を覚えるための能力です。一方で記憶力とは、暗記した情報を忘れないようにするための能力です。つまり、暗記力と記憶力では、そもそも能力を発揮するタイミングが異なります。

記憶力が高い人の特徴

記憶力が高い人の特徴は以下の5つです。

  • 好奇心が盛ん
  • 頭の回転が速い
  • 精神的に落ち着いている
  • 集中力が高い
  • 物事をストーリーとして覚えている

上記の特徴をおさえることは、記憶力を向上させるためのヒントになるので参考にしてください。

特徴1.好奇心が盛ん

好奇心が盛んな人は記憶力が良い傾向にあります。
これには、記憶の性質が関係しています。

記憶は、情報の重要性や価値によって、強度が異なるのです。
不要な情報は短期記憶に、必要な情報は長期記憶として保存されやすくなります。

好奇心が盛んな人は物事への興味が深く、その分野に関する情報を長期記憶として保存します。
つまり、好奇心が盛んな人は長期記憶になりえる情報範囲が広く、結果として記憶力が高い傾向にあるのです。

特徴2.頭の回転が速い

頭の回転が速い人は、記憶の情報整理が速やかに行えるので、その時々のタイミングに応じて適切な情報をアウトプットできます。

側から見れば、頭の回転が速い人も記憶力が高いと感じるでしょう。

特徴3.精神的に落ち着いている

落ち着いているときの脳の状態は、情報を記憶として定着させやすいといわれています。
逆に、焦っていたり緊張していたりなどの状況では、記憶力は低下する傾向にあります。

学校の発表会やプレゼンテーションを思い出すとわかりやすいでしょう。
つい先ほどまで、発言内容を頭でイメージできていたものの、いざ前に立つと頭が真っ白になってしまい言葉が出てきません。

記憶力の役割はインプットする能力だけでなくアウトプットの領域にもおよびます。
普段から落ち着いている人を観察してみると、記憶力の良さに驚くかもしれません。

特徴4.集中力が高い

集中力が高いと、学習や情報処理の際に注意が散漫になりません。
その結果、情報を正確にインプットできるので、記憶しやすいのです。

特徴5.物事をストーリーとして覚えている

物事をストーリーとして覚えている人は、記憶力が高い傾向にあります。
記憶は情報を単体で覚えているのではなく、複数の情報が紐づいたり絡み合ったりして保管されています。

ひとつの情報を思い出したタイミングで、別の情報を連想したり思い出したりなどの経験はありませんでしょうか。
これには、記憶が持つ性質が関係していたのです。

今すぐ試せる記憶力を上げる方法7選

記憶力を上げる方法を以下の7つ紹介します。

  • 出来事をストーリー化する
  • 瞑想を行う
  • 反復学習をする
  • 脳トレのゲームアプリを利用する
  • 他人とコミュニケーションを取る
  • ストレスを発散させる
  • 趣味を楽しむ

それぞれ解説します。

記憶力を上げる方法1.出来事をストーリー化する

出来事のストーリー化は、記憶力を上げるためのテクニックです。たとえば、以下の単語をすぐに覚えたいとします。

・大きな山
・草原
・ゾウ
・水辺

これらの単語は、以下のようにストーリー化できます。
例:大きな山がそびえ立つ草原の水辺には、ゾウがいます
ストーリー化はシンプルなテクニックですが、一度に複数の情報を覚えるうえで有効なので活用しましょう。

記憶力を上げる方法2.瞑想を行う

脳の前頭前野を活性化させるための手段として、瞑想は有効です。

前頭前野とは、記憶力や集中力、思考といった人を人たらしめる役割をもった脳の重要な役割を担う領域です。
瞑想で前頭前野が鍛えられることで、記憶力の向上が期待できます。

瞑想は種類が多く、何から始めれば良いかがわからない人もいるでしょう。まずは、姿勢を正して椅子に座り、呼吸に意識を集中させることから始めてみてはいかがでしょうか。
シンプルな瞑想法ですが、前頭前野の活性化による記憶力の向上が期待できます。

記憶力を上げる方法3.反復学習をする

反復学習とは、同じ情報を繰り返し(反復)思い出す記憶法です。反復学習は、勉強に取り組んだことのある人には馴染みのある言葉かもしれません。

反復学習をすることで短期記憶を長期記憶に変換しやすくなります。
長期的に覚えておきたい情報があれば、反復学習を取り入れてみてはいかがでしょうか。情報を頭の中で思い出すだけでも反復学習の効果は期待できるとされているので、手軽に取り組めます。

記憶力を上げる方法4.脳トレのゲームアプリを利用する

楽しみながら脳を活性化させるためには、脳トレのゲームアプリがおすすめです。脳トレのゲームアプリには、パズルや将棋、オセロなどがあります。

多くのアプリが無料で提供されているので、気になる人はチェックしてみてください。

記憶力を上げる方法5.他人とコミュニケーションを取る

人とのコミュニケーションには、前頭前野を活性化させる働きがあるとされています。
なお、見ず知らずの人とのコミュニケーションのほうが、前頭前野の活性度合いは大きいといわれています。

もちろん、知り合いとの何気ない会話を楽しむのもひとつです。
しかし、せっかく記憶力を上げるためのトレーニングを行うなら、喋ったことのない人に声をかけてみるのも良いでしょう。

記憶力を上げる方法6.ストレスを発散させる

ストレスの発散には、海馬の萎縮リスクを下げられる働きがあるとされています。海馬は記憶や空間学習において、重要な役割を果たす脳の領域です。

記憶力を維持するためには、ストレスを発散して海馬の萎縮を防ぐことも重要です。

記憶力を上げる方法7.趣味を楽しむ

興味のある物事に取り組むことは海馬に良い影響を与えるといわれており、記憶力の向上に役立ちます。

少しでもやってみたいと感じる物事があれば、取り掛かってみましょう。

生活習慣を改善して記憶力を上げる7つの方法

生活習慣を改善して記憶力を上げる方法を以下の7つ紹介します。

  • 朝型の生活を送る
  • 睡眠の質を高める
  • 適度に有酸素運動を行う
  • ご飯はよく噛む
  • 栄養バランスの良い食事をとる
  • 記憶力の向上に役立つ食べ物を摂取する
  • ストレスを溜め込まない

生活習慣の改善は一夕一夜でできるわけではありませんので、少しずつ改善していくことが大切です。

生活習慣を改善して記憶力を上げる方法1.朝方の生活を送る

頭を使う作業を行うには、朝がおすすめです
朝は脳がクリアな状態ですので、インプットした情報を定着させやすいです。

逆に、夜更かししてまでの勉強はおすすめできません。
脳は、夜にいたるまでに莫大な情報に晒されてしまった結果、思考力が低下している可能性があります。

夜更かししてまで勉強に励んでいた人は、この機に、朝の時間を活用して勉強に取り組んでみてはいかがでしょうか。

生活習慣を改善して記憶力を上げる方法2.睡眠の質を高める

脳には、インプットした情報を睡眠中に記憶する働きがあります。
つまり、十分な睡眠を確保することが、記憶力を上げるうえで重要です。

睡眠時間お目安は成人で6〜7時間ほどといわれています。

目安時間に足りていない人は、睡眠時間を増やすことを心がけましょう。
また、睡眠は時間だけに焦点を当てるのではなく、「質」を意識することも大切です。
睡眠の質は定期的な運動や就寝前の入浴などにより高められるといわれているので、ぜひ取り組んでみてください。

生活習慣を改善して記憶力を上げる方法3.適度に有酸素運動を行う

適度な有酸素運動には、記憶力を上げる効果があるといわれています。
記憶力の向上以外にも、有酸素運動を行うことでストレス発散やダイエット効果が期待できます。

まずは、ウォーキングやジョギングなどの取り組みやすい運動からはじめてみてください。

生活習慣を改善して記憶力を上げる方法4.ご飯はよく噛む

咀嚼は「コレシストキニン」という物質を分泌します。
この物質は脳の中枢神経を活性化させるといわれています。

記憶力を上げたい人は、噛むことを意識して食事をとりましょう。

生活習慣を改善して記憶力を上げる方法5.栄養バランスの良い食事をとる

栄養バランスの取れた食事は、海馬の萎縮リスク低下による記憶力の維持が期待できます。

逆に、バランスが乱れた食事は健康被害のリスクもあるので、健康的な食生活を送りましょう。

生活習慣を改善して記憶力を上げる方法6.記憶力の向上に役立つ食べ物を摂取する

以下の栄養素が含まれている食べ物は、記憶力の向上に役立つとされています。

  • 糖質
  • ビタミン群
  • カルシウム
  • DHA
  • BDNF
  • EPA

後ほど、記憶力を上げるためにおすすめの食べ物を紹介します。

生活習慣を改善して記憶力を上げる方法7.ストレスを溜め込まない

ストレスが少ないと、精神が安定しやすくなります。
精神が安定していると情報を記憶しやすいので、日頃からのストレスコントロールが記憶力を上げるためにも重要です。

ストレスを軽減する手段として、瞑想や運動などを取り入れると一石二鳥です。

記憶力を上げるためにおすすめの食べ物9選

記憶力を上げるためにおすすめの食べ物は以下のとおりです。

  • バナナ
  • 豚肉
  • 大豆
  • 青魚
  • チョコレート
  • ココア
  • ごま
  • チーズ
  • サプリメント

食べ物ごとの役割を理解することで、食事管理が捗るようになるでしょう。

記憶力を上げるのに適した食べ物1.バナナ

バナナは、脳に必要なエネルギー源であるブドウ糖を多く含んでいます。
また、神経伝達物質の生成に適したビタミンB6が豊富であり、集中力や記憶力を向上させる効果が期待できます。

記憶力を上げるのに適した食べ物2.豚肉

豚肉には、脳の活性化を助けるビタミンB1が豊富に含まれています。
疲労回復にも効果があるので、定期的に摂取したい食材のひとつです。

記憶力を上げるのに適した食べ物3.大豆

大豆には、記憶力や認知機能をサポートするとされるイソフラボンやレシチンが含まれています。
これらの成分は、脳の健康維持に役立つとされています。固形物の大豆が食べられない人は、飲料の豆乳を食事に加えてみるのもひとつです。

記憶力を上げるのに適した食べ物4.青魚

青魚(サバ、イワシ、サンマなど)は、脳の働きを高めるDHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含んでいます。DHAは、神経細胞間の情報伝達を担う役割を担っているので、青魚を食べることで結果として記憶力の向上が期待できます。

記憶力を上げるのに適した食べ物5.チョコレート

チョコレートには、抗酸化作用があるフラボノイドやカフェインが含まれています。
脳の血流を良くし、集中力や記憶力を向上させる効果があるとされています。

記憶力を上げるのに適した食べ物6.ココア

ココアに含まれるポリフェノールには、抗酸化作用があり、脳の老化を遅らせる効果があるとされています。
気分を高める効果も示唆されているので、落ち込んでいる日には、コップ一杯のココアを飲んでみてはいかがでしょうか。

記憶力を上げるのに適した食べ物7.ごま

ごまには、セサミンという成分が含まれており、抗酸化作用を持つことで知られています。
脳のストレスが軽減されることによる、記憶力の向上が期待できます。

記憶力を上げるのに適した食べ物8.チーズ

チーズには、記憶力や集中力を高めるといわれている「チロシン」が含まれています。
また、カルシウムも豊富で、神経伝達をスムーズにする効果も期待できます。

記憶力を上げるのに適した食べ物9.サプリメント

特定の栄養素を補うためのサプリメント(ビタミンB群、DHA、レシチンなど)は、日常の食事で不足しがちな栄養素を補えます。食事だけでは賄えない栄養素をサプリから摂取することで、記憶力の向上に役立ちます。

記憶力が低下する6つの原因

記憶力が低下する原因は主に以下の6つです。

  • 加齢
  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 病気
  • 運動不足
  • 飲酒

それぞれ解説します。

原因1.加齢

加齢により、神経細胞の動きが鈍くなっていきます。
結果、物忘れがひどくなったり、新しい情報が覚えづらくなったりします。
ご年配の人に良くみられる症状ですね。

しかし、加齢により物忘れがひどくなってしまっても、記憶力のトレーニングを諦める必要はありません。
脳は何歳からでも鍛えられるので、本記事で紹介している内容を実践することで記憶力の維持や向上が期待できます。

原因2.ストレス

ストレスは海馬に悪影響を及ぼします。
海馬は記憶を整理する役割を担っており、この部分に負担がかかってしまうことで記憶力が低下する原因に。

しかし、ストレスはどうしても溜まってしまうものです。
ストレスを溜めないようにすることも大切ですが、趣味や運動など、ストレスを発散できる方法を見つけることも重要です。

原因3.睡眠不足

睡眠中に記憶は定着するといわれています。
睡眠不足に陥ることで、記憶が定着しづらく、物事を覚えられない原因に。

記憶力の低下を防ぐためには、最低でも6時間、できれば7時間ほどの睡眠を確保しましょう。

原因4.病気

認知症などの病気を発症した場合、記憶力が低下する可能性があります。
厄介なことに、認知症による物忘れは、「そもそも物事を忘れていることさえわからない」という重度の弊害を発する恐れがあります。

病気による記憶力の低下は、本記事で紹介している内容ではカバーできませんので、かかりつけの病院や医師の指示に従いましょう。

原因5.運動不足

運動不足は脳の老化を早める原因といわれています。
脳の老化により海馬が萎縮してしまうことで、記憶力が低下する恐れがあります。
とはいえ、運動のために重たい腰を上げるのは一苦労ですよね。

運動が苦手な人は、職場の最寄り駅からひとつ前の駅で降りたり、駅の階段を使ったりなど、歩く時間を増やすだけでも運動不足を解消できる可能性があります。
日常のちょっとしたタイミングで楽をするのではなく、徒歩による運動を取り入れてみると良いでしょう。

原因6.飲酒

飲酒は海馬を萎縮させてしまう原因のひとつです。過度な飲酒により、前日の記憶が飛んでしまうような経験をした人もいるでしょう。これは、アルコールが海馬の働きを一時的に抑制することで起こる、「一時的記憶喪失」と呼ばれています。

文字通り、記憶が飛んでしまうのは一時的ですが、過度な飲酒を繰り返すことで、「一時的記憶喪失」が慢性化してしまう可能性も。
記憶力を上げるなら飲酒を控えることが望ましいでしょう。

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記憶力を上げるのは何歳からでも遅くない!

記憶力は一夕一夜で鍛えられる能力ではありません。
地道なトレーニングを重ねていくことで鍛えられる能力です。

また、記憶力を上げるにはトレーニングだけでなく生活習慣の改善も必要です。
夜更かししていたり、運動不足だったりすると、いつまで経ってもトレーニングの成果を実感できないでしょう。
トレーニングと生活習慣の改善が積み重なることで、記憶力は鍛えられていくのです。
記憶力は何歳からでも鍛えられるので、ご年配の方でも諦めずにトレーニングに励んでみてください。