「毎日きちんとシャンプーしているのに、頭がかゆくて仕方がない!」という頭皮のかゆみについて悩んだ経験がある方は多いのではないでしょうか。

真っ先に思い浮かべるのは「頭皮の汚れ」かもしれませんが、頭皮がかゆくなるのはさまざまな原因が考えられます。
間違った対策を施さないようにするためにも、原因を正しく把握することが大事です。

今回は、頭がかゆいときの原因と頭皮のかゆみ対策を詳しく解説します。

なぜ頭がかゆくなるのか?考えられる原因

「普段からお風呂に入って髪も洗っているのに…」
「かゆくなったときには保湿もしているのに…」

いろいろな対策を施しているものの、一向にかゆみがなくならず困っている方は多いのではないでしょうか。
まずは、頭がかゆくなるおもな原因について解説します。
頭皮のかゆみに悩んでいる方は、自分の場合に置き換えながらご覧ください。

汗や薬剤によるかぶれ

汗をかいてそのまま放置してしまったり、自分に合わない薬剤(カラーリング剤、パーマ剤など)を使ったりすると、頭皮に炎症を起こしてかぶれてしまうことがあります。
ひどくなると、かゆみだけではなく痛みやヒリヒリした感覚を伴うこともあります。

頭皮の乾燥

頭皮が乾燥することは、かゆみの原因の一つとなります。

頭皮が乾燥する理由は色々ありますが、そのうちの一つは過度な洗髪といわれています。
においや汚れを気にして一度に何度も繰り返しシャンプーしていると、本来必要な皮脂まで洗い流してしまうことがあります。
皮脂は潤いを閉じ込める働きがあるため、皮脂が失われると頭皮は乾燥してかゆくなる可能性が高まるでしょう。

シャンプー

シャンプーについては過度な洗髪だけではなく、洗い方の問題やすすぎ残しもかゆみの原因となり得ます。
正しいシャンプーの方法については後述しますが、ここではシャンプーに関するポイントを3つ紹介します。

1.洗い方
爪を立てて洗ったり硬い頭皮ブラシを使用してゴシゴシと洗ったりすると、頭皮に強い刺激を与えてしまいます。
シャンプーするときは手のひらで泡を立てて、指の腹を使って優しくマッサージするように洗いましょう。

2.すすぎ流し
シャンプーしたあとは、頭皮に泡などが残らないようにしっかり洗い流しましょう。

3.成分
シャンプーの成分として含まれる界面活性剤や防腐剤、香料などが原因でアレルギー反応を起こす可能性があります。
このアレルギー反応がかゆみの原因となることがあるといわれています。

ストレス

「ストレスがかゆみの原因?」と思う方もいるかもしれませんが、ストレスによって自律神経やホルモンバランスが乱れると、ヒスタミンが過剰分泌される可能性があるとされています。

ヒスタミンとは、体内に存在する化学物質の一つです。
かゆみが生じる詳しいメカニズムはまだ解明されていないものの、ヒスタミンが血液中に放出されるとかゆみや炎症などの多くの症状が引き起こされる可能性があるといわれています。

頭がかゆいときに考えられる症状・病気と治療法

頭皮のかゆみは、何かしらの頭皮のトラブルが原因となっている可能性もあります。

「えっ、病気?」と思う方もいらっしゃるかもしませんが、かゆみが気になって仕方ないほどお悩みの場合は、以下で紹介する「よくある頭皮の病気」の可能性も考慮したほうがよいでしょう。

そして、治療法についても合わせて紹介します。
可能であれば症状がひどくなる前に、一度医療機関で受診することも視野に入れることをおすすめします。

よくある頭皮の病気

「頭皮のかゆみが気になる!」という方は、何かしらの頭皮のトラブルを抱えている可能性があります。
以下では、よくある頭皮の病気を紹介します。

病名を見ても馴染みがないため、ピンとこない方も中にはいるでしょう。
そのことも踏まえて、病名とともに概要も一緒に紹介するので、普段感じている症状をイメージしながらご覧いただけると幸いです。

病名 概要
接触性皮膚炎 ・特定の物質に直接触れることで皮膚に炎症が起きる病気
・「刺激性接触皮膚炎」と「アレルギー性接触皮膚炎」の2種類
・頭皮に関しては、ヘアケア用品や衣類、塗り薬などが原因となる可能性が高い
皮脂欠乏性湿疹(乾燥湿疹・乾皮症) ・皮膚の皮脂量が減ったために皮膚のバリア機能が損なわれて、乾燥で角質が剥がれてしまっている状態
・かゆみを感じる神経線維が表面近くまで伸びるため、軽い刺激でかゆみを感じやすい
・高齢者やアトピー性皮膚炎の素因を持つ方、お湯や洗剤を多用する方が発症しやすい
アトピー性皮膚炎 ・かゆみを伴う慢性的な炎症
・発症原因は、体質的な要因(もともと皮膚のバリア機能が低下している状態)または外部的要因(アレルギー物質や外的刺激によるもの)
乾癬(かんせん) ・皮膚から少し盛り上がった赤い発疹の上に銀白色のフケのようなものがくっついて、ポロポロとはがれ落ちる状態
・原因は完全に解明されていない
・慢性化しやすく、人によってはかゆみを伴う
伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん) ・細菌が表皮に感染することで発症する病気(通称:とびひ)
・「水疱性(すいほうせい)膿痂疹」と「痂皮性(かひせい)膿痂疹」の2種類
・患部を掻きむしったり触ったりすることで、次々の周囲へ広がる
頭部白癬(とうぶはくせん) ・頭皮に鱗状にかさついた発疹や、脱毛部分ができる真菌感染症
・人からだけでなく、ほかの動物との接触で感染することもある
・発疹がリング状になることもある

診断と治療法

上の表で紹介した6つの病気に関しては、どのように診断されてどのような治療がおこなわれるのでしょうか。
それぞれについて紹介していきます。

病名 診断 治療法
接触性皮膚炎 ・医師による評価と病歴聴取
・パッチテスト
・症状の原因になっている物質に触れない
・コルチコステロイド(塗り薬)と抗ヒスタミン薬(内服薬)
皮脂欠乏性湿疹(乾燥湿疹・乾皮症) ・触診や肉眼的な評価により皮膚症状の重症度を評価
・問診によりかゆみの重症度を評価
・保湿を心がける
・ステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬
アトピー性皮膚炎 ・かゆみをともなうこと
・典型的な皮膚症状と分布
・慢性、または慢性に繰り返す湿疹
・アトピーの家族歴と既往歴 など
・スキンケア(皮膚の清潔を保ち、うるおいのある状態を保つこと)
・薬物治療(ステロイド外用薬など)
・環境整備(環境中の悪化因子を見つけて、可能な限り取り除くこと)
乾癬(かんせん) ・問診、視診、触診によって皮膚の状態を調べる
・乾癬かどうかの区別が難しい場合には、皮膚生検をおこなう
※皮膚生検:皮疹の一部を切り取って、皮膚の状態を顕微鏡で詳しく調べること
・外用薬(活性型ビタミンD3製剤、ステロイド外用薬、ビタミンD3製剤とステロイドの合剤)
・光線療法
・免疫抑制薬
・注射 などの治療が一般的
伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん) ・問診と視診で診断する
・他の皮膚疾患と区別がつきにくい場合は、はがれた表皮を採取して、培養検査で細菌の種類を確認する方法を用いることもある
・抗菌薬の内服、外用薬
・ステロイド外用薬
・患部を清潔に保つことも大事
頭部白癬(とうぶはくせん) ・頭皮の診察
・頭皮から採取したサンプルの検査
・抗真菌薬の内服や外用

頭皮のかゆみ予防のための日常の工夫とストレス対策

ここまで、頭がかゆくなる原因やよくある病気について解説しました。

「頭がかゆいのは病気なのか」と重たく考え、落ち込んでしまう方もいるかもしれません。
たしかに、病気の可能性もありますが、重たい症状になる前から頭皮のトラブルを予防していく手段を講じていきましょう。

具体的には、以下のようなことを毎日の生活に取り入れてみることをおすすめします。

日常生活での工夫

規則正しい生活を送ることは、頭のかゆみ予防になるだけではなく健康な生活を送るために必要なことです。
日常生活の乱れは、頭皮の乱れにもつながると考えてよいでしょう。

「食事」「運動」「睡眠」の3つを中心にして、今一度あなたの日常生活を見直してみるのはいかがでしょうか。
具体例は、以下のとおりです。

  • 栄養バランスが整っている食事を摂る
  • 一日三食、朝昼夜と規則正しい食習慣を身につける
  • 喫煙や飲酒などは控えめにする
  • 普段から運動不足を感じている方は、1日30分程度の軽い運動から始めてみる
  • 十分な休養と睡眠を確保する
  • 頭皮の紫外線対策を施す(例:帽子をかぶる、日傘をさすなど)

ストレス対策

先ほどお伝えしたとおり、ストレスも頭のかゆみの原因になるといわれています。
そのため、日ごろから慢性的にストレスを抱えている方は、何かしらのストレス対策を講じることがおすすめです。

以下では、おすすめのストレス対策を2つ紹介します。

1.アンガーマネジメントを取り入れる

仕事でもプライベートでもイライラすることが多く、頭がかゆくなってついポリポリと掻きむしってしまう方は多いのではないでしょうか。

イライラすることが多い方におすすめなのが、アンガーマネジメントです。

アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれたとされている「怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニング」です。
怒らないことを目的とするものではありません。
怒る必要のあることは上手に怒れて、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになることを目標としたものです。

アンガーマネジメントのやり方で有名なのは「6秒ルール」です。
6秒ルールとは、人間の怒りのピークといわれる「6秒」を待つことで怒りをある程度は鎮められるものです。
この6秒間は、以下のようなことを意識しましょう。

  • 怒りに反射しない
  • 6秒数えるときは数字を数えるだけなく、自分なりの落ち着く言葉があれば一緒に心の中で唱える
  • 心の中で大きく深呼吸している自分をイメージする

これは一例であり、他にもアンガーマネジメントのやり方はあります。
まずは、6秒ルールから取り入れてみるのはいかがでしょうか。

2.大好きな音楽を聴く

イライラしすぎて頭がかゆくて仕方がないときに大好きな音楽を聴くと、自然と心に「癒し」が与えられると感じたことはありませんか。
その時の気分に応じて、聴きたい音楽をセレクトしましょう。

ちょっと力が欲しいと思っているときには、ポップで明るい音楽を。
不安や緊張が高まっているときには、優しくスローテンポの音楽はいかがでしょうか。

現代では、スマートフォンのアプリなどで自分の好みの曲を集めたアルバム集を作ることも可能です。
歌詞入りの曲だけではなく、音楽だけのリスト(クラシック、オルゴール集)を作るのもよいでしょう。

ただ音楽を聴くだけの時間を作るのも、ストレス発散になる可能性が高いといえます。

頭皮の病気の予防になる行動

頭皮の病気の予防になる行動とは、まずは毎日のシャンプーが大事です。
しかし、ただシャンプーするのではなく、正しいシャンプーの仕方を実践することも大事になってきます。

また、シャンプーの種類や頭皮マッサージのケアを加えていくことで、頭皮の病気にかかる可能性を減らすことが期待できます。

頭皮の病気を予防した上で、さらに頭皮ケアを実践していけることが理想といえます。
次の章で頭皮ケアについて詳しく解説します。

頭がかゆい場合の頭皮ケア

頭がかゆいと感じた場合に試したい頭皮ケアを紹介します。
具体的には、以下の3つです。

  • 薬用シャンプーの使用
  • 正しいシャンプーの仕方の実践
  • 頭皮マッサージの実施
  • 市販薬の活用

それぞれについて、詳しく解説します。

薬用シャンプーの使用

「シャンプーしているつもりなのに、頭がかゆい」などと悩んでいる方は、多いのではないでしょうか。

毎日しっかりとシャンプーしているのに頭皮のかゆみが長期間治らない場合は、使っているシャンプーが合っていない可能性があります。
かゆみや炎症がある場合は、薬用シャンプーの使用も検討してみましょう。

薬用シャンプーとは、医薬部外品の認定を受けたシャンプーの総称です。
そして、医薬部外品とは「医薬品」と「化粧品」の中間のものであり、化粧品と違って「有効成分」が配合されていて、承認を得た効果効能をうたえます。
また、医薬品と違い、効果は「人体に対する作用が緩和なもの」です。

そのため、頭皮ケアにはかゆみを抑える有効成分が含まれた薬用シャンプーを選ぶことがおすすめです。

薬用シャンプーの中でも、頭皮への刺激が少ないものを選びましょう。

おすすめの薬用シャンプー

  • 価格:2,480円~2,680円
  • 容量:300ml

「DR 薬用シャンプー」は、頭皮と毛髪の健康を第一に考え、フケや臭い、かゆみを抑えるプロ仕様のシャンプーです。
※有効成分としてグリチルリチン酸ジカリウムを配合しています。

柔らかくきめ細かな泡で毛穴の汚れを落とします。

頭皮の洗いすぎにならないよう、こだわり成分を配合しているので、乾燥肌にもおすすめです。

また、男女問わず使用できるため、シェアコスメとしてもおすすめです。

正しいシャンプーの仕方の実践

毎日しっかりとシャンプーしていても、正しい方法でなければ逆に頭皮のトラブルの原因となる可能性があります。

以下では、正しいシャンプーの方法として一例を紹介します。

1.髪をとかす
ブラシやくしを使って、髪を丁寧にほぐす

2.お湯だけで髪を洗う
熱すぎない程度のお湯で、髪の表面や頭皮を丁寧に洗い流す。

3.泡立てたシャンプーをつける
表面の髪を泡立ててから、指の腹を使ってやさしく丁寧にもみ込む

4.マッサージする
頭皮をほぐすように1〜2分かけて丁寧にマッサージする

5.お湯でよくすすぐ
泡が無くなるまで、しっかりと洗い流す

6.コンディショナーをつける
毛先からもみ込んで浸透させるだけで、頭皮にはできる限りつけないようにする

7.お湯でよくすすぐ
頭皮についたコンディショナーまでしっかりと洗い流す

8.タオルで髪をよく乾かす
頭皮の水分を取るように、髪の内側にタオルを入れてやさしく拭き取る

9.ドライヤーをかける
頭皮を乾かすように、洗髪後早いタイミングでドライヤーをかける

頭皮マッサージの実施

頭皮ケアとしては、頭皮マッサージもおすすめです。

指を使って頭皮をマッサージすることで血行が良くなり、頭皮環境の改善が期待できます。
指の腹を使って、優しくマッサージをしてみましょう。

マッサージの際に頭皮美容液を使うこともおすすめです。

市販薬の活用

頭がかゆいときでも、気になったらすぐにシャンプーばかりしているわけにはいきません。
シャンプーのしすぎは、むしろ逆効果になる可能性があります。

主に日中などの時間帯に頭がかゆくなったときには、市販薬の活用もおすすめです。

ただ、市販薬も様々な種類があるため、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いでしょう。
市販薬はドラッグストアで購入可能なので、どれを選べばよいかわからない方は薬剤師などに症状を説明した上で選んでもらうのもよいでしょう。

また、市販薬を使用するときは取扱説明書をよく読んで、用法と用量を守って使用してください。

頭がかゆくなる原因を知り、セルフケアから始めよう!

今回は、頭がかゆいときの原因と頭皮のかゆみ対策を詳しく解説しました。

頭がかゆくなる主な原因は、以下の4つです。

  • 汗や薬剤によるかぶれ
  • 頭皮の乾燥
  • シャンプー
  • ストレス

頭がかゆいときには、接触性皮膚炎や皮脂欠乏性湿疹(乾燥湿疹・乾皮症)など頭皮の病気にかかっている可能性があります。
症状がひどいときは、医療機関の受診も検討しましょう。

ただ、日ごろから頭のかゆみを予防する行動をとることで、病気にかかる可能性を抑えられます。
日常生活の送り方を工夫したりストレス対策を施したり、できることはたくさんあります。

まずは頭がかゆくなる原因を知り、毎日のセルフケアから始めてみましょう。
今回の記事を参考にして、頭のかゆみのストレスから解放された毎日を送れるようにしていきましょう!