多くの人を悩ませる、足の臭いに関する問題。
足の臭いは男女を問わず、誰にでも起こりうる厄介なお悩みですよね。
せっかく時間や労力をかけて頑張ったオシャレや美容も、足から嫌な臭いが漂っていては台無しに感じてしまうことも…。

今回は、足が臭くなるメカニズムや、洗っても臭いが取れない原因を解説していきます。足の臭いに有効なケア方法もご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

足の臭いの原因を解説

広範囲な体の中で、なぜ足の臭いはピンポイントで気になりがちなのでしょうか?

実は、足が臭くなる原因は意外とシンプルな理由だったりします。
ここでは、足が臭くなる原因とそのメカニズム、洗っても臭いままなのはなぜか?という疑問を解説していきます。

主な原因は汗と雑菌の繁殖

足の臭いの主な原因は、足の裏の雑菌と汗などが混ざり合うことで臭い物質が発生するために起こります。そして、この臭い物質こそが足の臭いの発生源になります。

それでは、臭い物質とはどのようなものなのでしょうか。足に悪臭をもたらす臭い物質、その正体は主に「イソ吉草酸」と「酢酸」です。2つの特徴を見比べていきましょう。

臭い物質 臭い 特徴
イソ吉草酸(いそきっそうさん) 納豆やチーズのような発酵した臭い ・「足の裏」でイメージする代表的な臭いの一つ
・足の臭いの原因の多くを占める
・悪臭防止法で特定悪臭物質に指定されている
酢酸(さくさん) 酸っぱい臭い ・「汗の臭い」でイメージする代表的な臭いの一つ
・お酢にも含まれる成分
・食用では疲労回復などに役立つが、足の裏に発生した場合は悪臭の原因となる

なぜ、全身の中でも足の裏は特に臭いが気になるのでしょうか。
それは、足の裏は汗腺が多く、元々汗をかきやすい部位だからです。また日頃から靴などで密閉されていることが多いため、その通気性の悪さから汗も乾きにくく、雑菌が繁殖しやすいという悪循環に陥りやすい部位でもあります。

それでは、なぜ足の裏に汗をかくと臭いが発生してしまうのでしょうか?その仕組みを次の項で解説いたします。

足が臭くなるメカニズム

足の裏は雑菌が繁殖しやすく、また汗もかきやすい部位であることはご存じの方も多いかもしれません。
それでは、この雑菌と汗が臭いを発生させているのでしょうか?実はこの2つは臭いの原因ではありますが、発生源ではありません。

実は、雑菌と汗が混ざり合うと、とある臭い物質が発生します。これこそが、臭いの発生源になります。

足の裏には雑菌(常在菌)が存在します。雑菌は、足の裏に汗をかくことで繁殖しやすくなります。雑菌は湿度が高く暖かな環境、つまり高温多湿な環境を好むため、靴などを履いている足の裏は雑菌が活発になり、繁殖が進みやすくなります。
更に、高温多湿な場所は汗もかきやすく、不衛生な環境になりやすいため皮脂や垢なども溜まりやすくなります。
そうやってかいた汗、皮脂や垢などに含まれるたんぱく質は、足の裏の雑菌のエサになり分解が行われます。実はこの分解の過程で、とある物質が副産物として生み出されるのですが、これが前項でお伝えした「イソ吉草酸」や「酢酸」などの臭い物質になります。

イソ吉草酸や酢酸は、それぞれ異なる臭いを発しますが、どちらも鼻を突くような不快な臭いが特徴。特にイソ吉草酸は、前項でもお伝えした通り、特定悪臭物質に指定されているほど人に不快感を与える臭い物質です。
強烈な足の臭いに悩まされている場合は、このイソ吉草酸が多く発生してしまっているかもしれません。

よく「汗が臭い」とイメージされる方が多いかもしれませんが、汗そのものが臭いを発生させているわけではありません。汗によって蒸れた足の裏は雑菌が繁殖しやすく、また、そうして繁殖した雑菌が汗を分解することで足の悪臭へと繋がっています。
雑菌や汗の量が増えればその分、分解も多く行われますので、臭いが強くなります。

洗っても足が臭いのはなぜ?

「しっかり足を洗っているはずなのに、臭いが気になる…」
足の臭いに悩まされている人は、こまめに足を洗ったり、自分なりに対策を行っていることが多いですよね。しかし、それでも臭いが改善されないのはどうしてなのでしょうか?
そんな場合には、とある共通点があるかもしれません。

  • 洗ったあとの乾燥が不十分
  • 爪や指の間を洗い切れていない
  • 雑菌が繁殖した靴を履いている

いずれも、雑菌を十分に除去できていないという共通点があります。足の臭いを改善するためには、雑菌にしっかり向き合うことが大切です。

足をキレイに洗ったあと、足が濡れたままの状態で床を歩いたり、すぐに靴下を履いていたりはしていませんか?

雑菌は湿った環境を好みますので、しっかり洗ったつもりでも、濡れたままの状態が続いていては雑菌の温床となる場合があります。足を洗ったあとは清潔なタオルでしっかりと水分を拭き、しばらく素足で過ごすなどしてしっかりと乾燥させるといいでしょう。

また洗うときのポイントとして、爪や指の間も盲点となりがちです。
特に爪の間は手が届きにくく、洗浄が疎かになりやすい箇所でもあります。

キレイに洗いあげたつもりでも、臭いの元がまだ潜んでいる場合もありますので注意しましょう。

心当たりのある点はありましたか?
洗っても足が臭いのは、洗い残しや不十分な乾燥により、雑菌が十分に除去できていないためかもしれません。

せっかく時間をかけて清潔にしたつもりでも、実はまだ細かなところに雑菌が残っている場合も。
更にその状態で不十分な乾燥が重なると、ますます雑菌が繁殖しやすくなります。
足を洗うときは、雑菌をポイントに考えてみるといいですね。

しかし、これらのことを徹底していてもまだ臭いが気になる人には、ある5つの特徴が隠れているかもしれません。次の項でご紹介します。

足が臭くなりやすい人の5つの特徴

足の臭いの主な原因は、汗と雑菌が関係していることがわかりました。
普段から足の臭いに悩まされている人には、とある5つの特徴があるかもしれません。あなたにも当てはまる特徴がないか、チェックしてみましょう。

1.足裏に汗をかきやすい人

足の裏に汗をかきやすい人は、足の臭いに悩むことが多いかもしれません。

汗腺の多い足の裏は、元々汗をかきやすい部位です。日頃から汗をかきやすい人は、足の裏にも人一倍汗をかいている可能性があります。
汗は雑菌と混ざり合うことで、臭いの原因物質を発生させます。

また、足にたくさん汗をかいてしまう人の中には「足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)」を患っている場合もあります。

足蹠多汗症とは、その名の通り足の裏にたくさん汗をかいてしまう病気です。
汗の分泌量は人それぞれの体質や環境によって左右されますが、もし「足に異常なほどの汗をかいている気がする」という場合には、一度医療機関の受診を検討してみてもいいかもしれません。

2.通気性の悪い靴を履いている人

足が臭くなる原因には、履いている靴の通気性にも問題があります。

特に、革靴や冬場のブーツなど、温かく保温性の高い靴などには注意が必要です。
それではなぜ、通気性の悪い靴は足の臭いの原因となるのでしょうか。それは、空気の通りが悪くなることで靴の中が蒸れ、高温多湿になりやすいためです。

靴の中が高温多湿になると、足の裏の雑菌の繁殖も活発になります。また通気性が悪いことで足に汗をかきやすく、かいた汗もなかなか乾きません。やがて、かいた汗を繁殖した雑菌が分解しはじめることで、イソ吉草酸や酢酸をはじめとした臭い物質を発生させ、足が臭くなります。
通気性の悪い靴は、通気性のいい靴に比べ雑菌の繁殖や汗の分泌が多くなり、臭いを強める原因に繋がります。

また、サイズの小さい靴も通気性を悪くするため注意が必要です。自分の足に対してサイズが小さい靴は、足と靴の間にゆとりがないため空気が循環しづらく、通気性が悪くなります。

3.毎日同じ靴を履いている人

服や下着と違って、靴を頻繁に洗濯するという人は少ないのではないでしょうか。

人の足の裏には多くの汗腺が存在し、元々汗をかきやすい部位です。靴を履いている間は蒸れた状態が長時間続いていて、一日履いた靴には汗や雑菌が染み込んでいます。

その状態のまま同じ靴を毎日履いていると、どうなるでしょうか。十分に乾燥しきらないままの靴に毎日足を通すことで、雑菌は更に繁殖し、臭い物質も発生しやすくなります。
毎日同じ靴を履いているという人は、注意が必要です。

4.ストレスが溜まりやすい人

人はストレスを感じると交感神経が刺激され、汗をかきやすくなります。

よく、「緊張で汗をかく」などと表現することがあるかと思いますが、それもこのような作用が働いていることが考えられます。

元々多くの汗腺がある足の裏ですが、ストレスによって汗をかくことで、足の裏も同様に汗の分泌量が増しやすくなります。
汗はやがて足の裏の雑菌と混ざり合い、臭いを発生させます。

日常的にストレスを抱えている人や、ストレスを受ける機会が多い人は注意が必要です。

5.水虫などの病気を抱えている人

水虫とは、白癬菌(はくせんきん)をはじめとしたカビが足の裏などに増殖して起こる病気です。
かゆみを伴い、皮膚が乾燥したり剥けたりといった症状が現れます。

足の裏にのみ発生する病気ではありませんが、ほとんどが足の裏に症状が現れます。それは、足の裏が高温多湿になりやすい部位であることが要因の一つ。
水虫は感染を伴う病気であり、水虫の人が素足で歩いた床や素足で履いたスリッパなどに、同じく素足で触れた場合などに感染する可能性があります。

水虫と聞くと、臭いを伴うイメージを浮かべる人も多いかもしれませんが、実は水虫の原因である白癬菌が臭うことはほとんどありません。

しかし、足の臭いと同様に水虫もまた不衛生な環境で発症することが多い病気です。「足が臭い」と自覚のある場合には、足の臭いに並行して水虫に感染しているケースも見受けられます。

特に、角質増殖型と呼ばれる水虫には注意が必要です。角質増殖型水虫とは、角質が厚くなったり粉を吹いたりするなどの症状を伴います。足の臭いの原因は、足の裏に潜む雑菌が汗や皮脂などのたんぱく質を分解する過程で臭い物質を発生させるために起こります。このたんぱく質とは汗や皮脂だけに限らず、角質も含みます。
水虫によって角質が厚くなることは、雑菌による分解を促進してしまう場合もありますので注意しましょう。

水虫は一度感染すると自力では治すことができませんので、心配な場合は医療機関を受診するなどして、健康な足を保ったうえで臭いケアを行いたいですね。

足の臭いを改善する効果的な方法

「自分なりに対策しているけれど、なんだか臭いが改善されない…」

「毎日お風呂でキレイに洗いあげているつもりでも、時間が経つとまた臭う気がする…」
きちんとケアをしているつもりなのに、臭いが改善されないと気分も落ち込みますよね。

ここでは、足の臭いを改善するケア方法について解説していきます。まだ実践していない方法があったら、ぜひ取り入れてみてくださいね。

石鹸で念入りに洗う

足の臭い対策には、石鹸で念入りに洗うことが重要です。既に実行している人も多いかと思いますが、これまでの洗い方を今一度見直してみてもいいかもしれません。

たっぷりと石鹸をつけて洗っていても、洗い残しがあっては効果は薄れてしまいます。
特に、爪や指の間は汚れも溜まりやすく、また洗い残しも多い箇所。もし今まであまり意識せずに洗っていた場合は、そういった細かい箇所も意識して洗ってみましょう。

タオルなどであまりにゴシゴシと洗うと、皮膚を傷つけ、却って足の臭いの原因に繋がる場合もあります。丁寧に優しく洗い上げ、その後たっぷりのお湯で石鹸を洗い流しましょう。

爪をこまめに切る

爪の間には垢などの汚れが溜まりやすく、また洗いにくい箇所でもあります。そのため、足の爪はなるべくこまめに切ることをおすすめします。

爪の間に溜まりやすい垢は、汗や皮脂と同様に足の裏の雑菌と混ざり合うことで臭いを発生させます。足の爪を必要以上に伸ばしていると、垢の蓄積も増えるため、足の臭いの原因になりやすくなります。

極端に短く切りすぎる必要はありませんが、必要以上に伸びすぎないよう、こまめに切るように心がけましょう。

重曹を活用する

お菓子作りやお掃除などに使用する機会が多い、重曹。そんな汎用性の高い重曹ですが、足の臭い対策にも役立ちます。

重曹は弱アルカリ性であるため、酸性の物質を中和します。足の臭いの原因物質である「イソ吉草酸」「酢酸」は共に酸性の物質であるため、重曹によってその臭いを抑える効果が期待できます。
また重曹には雑菌の繁殖を抑制する効果も期待できますので、足の臭い対策にはとても嬉しいアイテムの一つです。

重曹を使った臭い対策には、重曹をお湯に溶かした重曹足湯がおすすめです。

【重曹足湯のやり方】

  1. 洗面器に人肌程度のぬるま湯を張る
  2. 上記に大さじ1~2杯程度の重曹を入れてかき混ぜる
  3. 10~15分ほど足をつける

この重曹足湯は、足だけではなく靴を漬け置きすることもおすすめです。その場合、靴に重曹が行き渡るよう、漬け置き時間を少し長めに取るといいでしょう。

また、重曹に少量の水を混ぜ、ペースト状にしたもので靴を洗うこともおすすめです。

ミョウバンを活用する

ミョウバンは、野菜などのアク抜きや煮崩れ防止など、料理にも使われる食品添加物の一種です。
そんなミョウバンですが、実は足の臭い対策にも効果的なことをご存じでしょうか。

ミョウバンには、殺菌効果、制汗効果があります。
足の臭いは、足の雑菌と汗が混ざり合うことで発生する臭い物質が原因で起こります。
この雑菌と汗を制することこそが足の臭い対策にはうってつけなのですが、ミョウバンには雑菌と汗の両方を軽減する働きがあるため、足の臭いの発生を抑えることが期待できます。

ミョウバンを使った臭い対策には、焼ミョウバンを水で薄めたミョウバン水がおすすめです。

ミョウバン水(原液)の作り方

  1. 500mlのペットボトルに焼ミョウバン10~20g程度を入れる
  2. ペットボトルの容量満タンまで水道水を入れる
  3. 2~3日置く

こちらのミョウバン水(原液)は、消臭スプレーとして活用することがおすすめ。
ミョウバン水(原液)を更に10~20倍に薄め、スプレーボトルなどに入れるだけ。足の臭いが気になるときはもちろん、日頃から予防として足にシュッと吹きかけて使用しましょう。

ポイントは、ミョウバンはすぐには水に溶けないため、溶けきるまで時間を置くこと。
焼ミョウバンはドラッグストアなどで購入できますので、ぜひ探してみてくださいね。

参照:J-SATAGE-12)ミョウバンを用いた看護技術開発のための解析 その1

靴のサイズを見直す

意外に思う人もいるかもしれませんが、靴のサイズを見直すことも足の臭い対策には効果的です。

特に、自分の足に対して小さい靴を履いている人はぜひ見直してみましょう。
サイズの小さい靴は、通気性が悪く、高温多湿の環境が続きます。また足が窮屈な状態で固定されるため、指の間などに汗をかきやすくなり、臭いの原因を生み出しやすくなるかもしれません。

また、自分の足に対して大きい靴を履いている人も注意が必要です。一見、サイズの大きな靴は通気性がよく、汗をかきにくそうな印象がありますよね。
しかしブカブカと歩きづらい靴ではバランスが取りづらく、足に余計な汗をかいてしまう場合も。

日頃から歩きにくい靴を我慢して履いているという場合は、自分のサイズに合ったストレスのない靴を探してみましょう。

靴を乾燥させる

湿った靴は臭い物質を発生させやすく、足の臭いには大敵です。
そのため、靴をしっかりと乾燥させることも足の臭い対策には欠かせません。

汗腺が多くある足の裏は汗をかきやすく、一日履いた靴には汗が多く染み込んでいる場合があります。また、雨の日などに履いて出かけた靴はどうしても濡れたり湿ったりしてしまうもの。その靴をそのままジメジメした玄関などに放置し、翌日に強烈な悪臭を感じた…なんて経験をされた人もいるのではないでしょうか。

雨の日などに限らず、靴は日頃からなるべく乾燥させておくことが大切です。
一日履き終わった靴はなるべく換気の行き届いた場所に置いたり、靴の中に乾いた新聞紙やティッシュを丸めて詰めておくことも効果的です。

また、毎日同じ靴を履いているという人も注意しましょう。一日履いて蒸れた靴が乾き切らないままに翌日も履いてしまうと、更に臭いを招く危険性があります。
毎日違う靴を履くことは難しいかもしれませんが、一週間のうちの何日かは別の靴を履くなどして、靴にもお休み期間を与え、乾燥の時間を設けるといいでしょう。

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洗っても足の臭いがするときは改善方法を試してみよう!

足が臭くなる主な原因は、雑菌や汗などが混ざり合うことで起こることがわかりました。
しかしその臭いのメカニズムは、「雑菌が汗をエサにする」といった意外とシンプルなもの。
自分に合った適切なケアを行うことで臭いの発生を抑えることができます。

足が臭くなる根本の原因は、人によって様々です。
洗っても解決しない足の臭いにお悩みの方は、まずは自分の臭いの原因がどこにあるのかを探してみましょう。

悩んでいた足の臭いが改善されるだけで、胸を張って前向きになれそうですよね。
清潔感は足元から。日頃からのちょっとした工夫で、臭いに悩まない快適な生活を送りましょう。