日本人の約3人に1人が高血圧だと言われています。高血圧を放置すると心疾患や脳卒中のリスクが高まりますが、多くの場合、自覚症状がほとんどないため、積極的な治療が行われていないのが現状です。
この記事では、高血圧の状態やその原因、血圧を下げる方法について詳しく解説します。
また、高血圧を改善したい方におすすめの食べ物もご紹介します。
さらに、減塩のコツや簡単にできる減塩レシピも取り上げていますので、ぜひ最後までお読みください。
血圧を測定しても、その値が正常なのか、それとも高いのか判断するのは難しいことです。
目標値をどこに設定すべきか分からない方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、高血圧と正常な血圧の基準値について詳しく説明します。
高血圧は、血圧が長期間基準値よりも高い状態を指します。
しかし、高血圧だからといっても明確な自覚症状がないため、病気としての認識が難しいことがあります。
そのため、気づかないうちに進行し、深刻な状態になることもあります。
高血圧を放置すると、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病などの重篤な疾患を引き起こすリスクが高まるので、注意が必要です。
高血圧の診断には、「診察室血圧」と「家庭血圧」の2つの値が使われます。
診察室血圧は医療機関で測定される血圧です。通常の状況と異なるため、緊張などで値が高くなることがあり、複数回の測定が行われ、その結果に基づいて診断がされます。
一方、家庭血圧は自宅で測定される血圧です。
家庭血圧は長期間にわたって記録を取ることで、血圧の変化を把握するのに役立ちます。
高血圧の診断基準は、医療機関での測定値が140/90mmHg以上である場合、または家庭で測定した血圧が135/85mmHg以上である場合です。
一方、正常な血圧とは、診察室血圧が120/80mmHg以下であるか、家庭血圧が115/75mmHg以下である場合とされています。
参照:厚生労働省|生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連 3─1 高血圧
高血圧の原因はさまざまですが、主な要因は塩分の摂り過ぎと動脈硬化です。塩分を過剰に摂取すると、血液中のナトリウム濃度が高くなります。
これによりナトリウムを薄めるために血液量が増え、結果として血圧が上昇します。
一方、動脈硬化によって血管が狭くなると、血液が流れる際の圧力が高まります。つまり、細いホースに大量の水を通すようなイメージです。
以下のような原因も考えられます
肥満:肥満は高血圧のリスクを2〜3倍に増加させます。内臓脂肪型肥満では、脂肪細胞から放出される物質が血管を収縮させ、血圧を上昇させることがあります。
参照:医療法人社団 健診会 東京メディカルクリニック|血圧測定 高血圧の原因
運動不足: 運動不足は血圧の調整機能を弱め、その結果、血圧が高くなります。
ストレス: ストレスが溜まると、交感神経が活発になり、心拍数が増えます。その結果、血圧が上がります。
喫煙:タバコに含まれているニコチンは血管収縮作用があるため血圧の上昇につながります。
血圧を下げるためには、以下の3つの方法が重要です。
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
高血圧を予防するためには、食塩の摂取量を制限する「減塩」が欠かせません。
食塩の摂取量について、厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」で、成人男性は1日7.5g未満、成人女性は1日6.5g未満が望ましいと発表しています。
さらに、日本高血圧学会は、高血圧の患者に対して、1日の塩分摂取量は6g未満を推奨しています。
参照:厚生労働省|わが国における栄養政策の動向について P8
血圧を下げるためには、運動が効果的です。特に、速歩、ジョギング、ランニング、水泳などの有酸素運動が推奨されます。
運動の強度はややきつい程度が適切です。毎日30分以上、または週180分以上程度を目安にしましょう。
ただし、急に強い運動を始めると体を痛める可能性があるため、軽めの運動から始めてください。
また、筋力を維持するために筋トレやストレッチも組み合わせることをおすすめします。ウォーキングやジョギングをすでに習慣にしている方は、腹筋やスクワットなどの筋トレを追加してみましょう。
高血圧が心配な場合は、必ず専門家に相談しましょう。
医師の診察を受けると、高血圧を下げる薬(降圧薬)が処方されることがあります。
一般的には、成人において血圧が140/90 mmHg以上が続く場合、降圧薬の使用が検討されることが多いです。
高血圧は医療上の観点からアドバイスを受けることが重要ですが、食事によって改善できる可能性があります。
高血圧の食事療法では、「減塩」が不可欠ですので、塩分の控えめな食材を選んで食べることが大切です。
この章では、100gあたりの塩分が0.1g以下の食品をご紹介します。
野菜には塩分がほとんど含まれていません。そのため、食事に取り入れると減塩が期待できます。
以下の野菜は、ミネラルや食物繊維を豊富に含んでいるため、おすすめです。
果物はほとんどが無塩であるため、減塩を目指す人に適した食べ物です。
特に以下の果物は、カリウムが豊富であり、マグネシウムやカルシウムも含んでいます。
フルーツに豊富に含まれるミネラルは、以下の理由で血圧を下げたい方におすすめです。
カリウム:体内のめぐりを助ける
マグネシウムやカルシウム:血流をスムーズに保つ
豆や大豆加工食品は、基本的に塩分を含んでいません。
食物繊維が豊富で、カリウム、カルシウムなどのミネラルもバランスよく含まれています。
豆 | 大豆加工品 |
---|---|
大豆 | 豆乳 |
あずき | きなこ |
えんどう豆 | 豆腐・油揚げ |
インゲン豆 | 納豆(※たれ・からしは塩分あり) |
なお、豆の缶詰やドライパックの豆には0.4g程度の塩分が含まれている場合があるため、食塩無添加の商品を選びましょう。
ナッツ自体には塩分が含まれていないため、無塩のナッツを選べば塩分を摂らずに楽しめます。
ナッツは、ミネラルや食物繊維が豊富です。
さらに、血管の健康維持をサポートするビタミンEや不飽和脂肪酸も含まれており、栄養価が高く、血圧を下げたい方におすすめの食品です。
そのまま食べるだけでなく、砕いて料理に混ぜても美味しくいただけます。
食事の主食となる穀類は基本的に無塩ですが、小麦粉を使ったパンや麺類には塩分が含まれています。
パンはバターなどのトッピングで、麺類はスープやソースで塩分量が増えるため、主食に取り入れる際には全体の塩分量の調整が必要です。
主食がご飯の場合は、おかずの塩分だけに注意すれば済みます。
高血圧のリスクを低くしたいのであれば、食物繊維やミネラルがより豊富な玄米や全粒粉の製品を選ぶとよいでしょう。
血圧を下げるために、食べ物だけでなく、飲み物について知っておきたいという方は多いでしょう。飲むだけですぐに血圧が下がる魔法のような飲み物は存在しません。
しかし、継続して飲むことで、血圧を下げやすくなる飲み物として、外せない条件は以下の2つです。
具体的には、以下のような飲み物がおすすめです。注意点を参考にして選んでください。
<野菜・果物ジュース>
野菜や果物のジュースはカリウムが豊富です。
<コーヒー>
コーヒーは、ポリフェノールや豊富なカリウムを含んでいます。
<緑茶>
緑茶にはコーヒーと同様にカフェインが含まれているため、過剰摂取には注意が必要です。
その点、ほうじ茶や麦茶などはカフェインが少ないものや、全く含まれないものがありますのでおすすめです。さらに、ノンカフェインの緑茶なら安心して飲むことができます。
<ピュアココア>
疲れたときに飲みたくなるココアも血圧を下げたい方におすすめの飲み物です。ココアは、カリウム、マグネシウム、ポリフェノール、食物繊維など豊富な栄養素が魅力です。
<豆乳>
女性の健康維持にもおすすめの豆乳ですが、ココアと同じく、ミネラルと食物繊維が豊富です。
減塩食は工夫次第でおいしく食べられます。
減塩レシピは通常のレシピと比べると塩分がかなり抑えられているため、レシピ通りに作ることで正確な塩分量がわかり、簡単に塩分をコントロールできます。
男性は1日7.5グラム未満、女性は6.5グラム未満の塩分摂取を目標に、減塩を意識したメニューを試してみましょう。ここでは、おすすめのレシピを3つご紹介します。
【材料】3~4人分
大根 160g
きゅうり 80g
人参 40g
ノンオイルツナ缶 50g
塩 少々
★
しょう油 小さじ1
酢 小さじ1
サラダ油 小さじ2
コショウ 少々
<作り方>
1. 大根、人参は千切りにする
2. 大根、人参は少し軟らかくなるまでさっと茹でる
3. きゅうりに塩をふり揉み、少し置き、水気が出てきたら絞る
4. ★をボウルに合わせ、ツナを加えてさっと和える
【材料】2人分
生さけ 2切れ
シメジ、エノキダケなど 各20グラム
ピーマン 1個
赤パプリカ 8分の1個
レモン汁 小さじ2
しょうゆ 大さじ2分の1
酒 小さじ2
バター 10g
アルミホイル 20cm角2枚
<作り方>
1.シメジ、エノキダケは石づきを取る
2.ジメジは小房に分け、エノキダケは半分に切ってほぐす。
3.ピーマン、パプリカは5センチ程の細切りにする
4.生さけをアルミホイル中央において、さけの上にシメジ、エノキ、ピーマン、パプリカをのせる
5.レモン汁、しょうゆ、酒を混ぜ合わせておき、4にかけ、最後にバターをのせ一つずつ包む
6.フライパンに並べ、水100ml程を入れ、10分ほど中火で蒸し焼きにする
減塩でもしっかりした味を楽しみたいときには、酢豚がおすすめです。肉と野菜をたっぷり使っているため、この一品で満足感が得られるメニューです。
【材料】2人分
豚モモ肉ブロック(とんかつ用でもOK) 160g
減塩しょうゆ 小さじ1と3分の2
酒 小さじ1
たまねぎ 半個
にんじん 3分の1本
ピーマン 2個
赤パプリカ、黄パプリカ 各4分の1個
たけのこ(水煮) 60g
干ししいたけ 4g
★甘酢あん
鶏ガラスープの素 小さじ4分の1
みりん 小さじ1と3分の1
減塩しょうゆ 小さじ1と3分の1
酢 小さじ2と2分の1
トマトピューレ 大さじ1と3分の1
干し椎茸の戻し汁 60ml
片栗粉 大さじ3分の2
<作り方>
1.豚モモ肉を一口大に切り、減塩醤油と酒で下味をつける
2.たまねぎはくし形、ピーマン、パプリカは一口大、人参とたけのこは乱切りにし、それぞれ電子レンジで3分程加熱しておく
3.水で戻した干ししいたけを千切りにする
★を混ぜ合わせておく
4.フライパンにゴマ油を熱し、1の豚モモ肉の両面をこんがりと焼く
5.豚モモ肉に火が通ったら、野菜と★の調味液を入れ、味をからませる
6.水溶き片栗粉でとろみをつける
減塩は重要ですが、食事の楽しみを失ってしまうのは味気ないものです。
そこで、美味しく食べながら減塩するために、以下の方法を実践してみてください。
血圧を気にされている方々は、すでに使われているかもしれませんが、減塩を成功させる方法として、減塩タイプの調味料を使うことをおすすめします。
一般的な調味料の中には減塩タイプが販売されており、これらは通常の調味料よりも塩分が30〜50%ほどカットされています。普段お使いの調味料を減塩タイプに変えるだけで、これまでと同じ食生活を維持しつつ、ある程度の減塩ができるでしょう。
かつお節、昆布、干ししいたけ、いりこなどの材料を使うと、うま味たっぷりのだしができます。
薄味でもだしのうま味で美味しくいただけますので、だしの風味を味わいましょう。ただし、市販のだし粉には塩分が含まれているものもあるため、使用する際には注意が必要です。
スパイスやハーブを加えると料理の風味が豊かになり、味にメリハリが生まれます。
調味料を少なくしても満足感を得られるでしょう。また、レモン、ゆずなどの柑橘類のしぼり汁、ねぎやみつばなどの香味野菜を活用することで、塩以外の味付けも楽しめます。
辛味や酸味を加えることで薄味でも美味しく感じられます。ただし、市販のミックススパイスには塩分が含まれている場合があるため、購入前に成分を確認してください。
しょうゆやソースなど、料理が完成した後に使う調味料は、「かけない」で「つける」ことを心がけましょう。
調味料をついかけすぎてしまうことがありませんか?一度かけすぎた調味料を取り除くのは難しいですよね。
そのため、別の小皿に調味料を用意し、食べるときに少しずつつけるようにするのがおすすめです。
調味料の量を自分で調節できて、過剰摂取を防ぐことができるでしょう。
また、スプレー式の醤油差しを使うと、かなり量を抑えられます。
汁のある麺類は塩分が多いため、全部飲み干すのは要注意です。例えば、ラーメンの場合、スープを全部残すと50%、半分残すと30%の塩分をカットできると言われています。
麺類を食べるときは「スープは半分以上残す」ことを習慣にするとよいでしょう。
ちなみに、袋入りインスタントラーメンの塩分は5〜6g、カップラーメンの塩分は5〜8gもあり、これだけで上記で紹介した推奨される1日の塩分摂取量を超えてしまうことがあるため注意が必要です。
さらに、冷たいお蕎麦を食べる場合も、汁に麺全体を浸さず、先端だけを少しつけるようにすると良いでしょう。そうすることで、お蕎麦本来の味もより楽しめるのではないでしょうか。
揚げ物や焼き物などでは、ほどよく焦げ目や焼き色をつけると香ばしい風味が生まれます。この香ばしさも味付けのアクセントになり、薄味が気にならなくなります。
日本人の食事にはしょう油や味噌などが多く使われるため、塩分の摂取量が多くなる傾向があります。減塩食は「おいしくない」と思われがちですが、少しの工夫で薄味でもおいしく食べることができます。
上記のポイントを参考にしながら、減塩を心がけてみましょう。
食事の工夫にプラスして、サプリメントも取り入れることもおすすめです。
キニシナイトGOLD 血圧ケアは、GABA(ギャバ)のチカラで、血圧が高めの方の血圧を下げるのを助ける機能性表示食品のサプリメントです。(届出番号:H1290)
さらに、ナットウキナーゼやサーディンペプチド、胡麻エキスなどのサポート成分もしっかり配合!
1日1粒の健康習慣で、とっても簡単です。普段の生活だけでなく、旅行や外出時にも持ち運べるから続けやすいですね。
高血圧の原因はさまざまですが、特に食事との関連が深いため、まず食生活を見直すことが重要です。特に欠かせないのは塩分を減らすことです。
また、血圧を下げたい方はミネラルや食物繊維が豊富な食べ物を積極的に食べるようにしましょう。これらの栄養素は、野菜、果物、豆・大豆加工食品、穀物などから摂取できます。
減塩については、いきなり1日の塩分を6g未満に減らそうとすると、美味しく感じずに継続が難しくなるかもしれません。まずは現在の食事から少しずつ減らすことを心がけましょう。
最初は減塩食が薄味に感じるかもしれませんが、徐々に薄味に慣れていきます。さらに、だしやスパイスを効かせるなど、調理方法を工夫することで、塩分を減らしても美味しく味わうことができ、満足感を得られます。
塩分量を見直し、無理なく続けられる方法で高血圧のリスクを軽減していきましょう。
血圧を下げるためには、食事や食生活の工夫が重要ですが、生活習慣の見直しも大切です。
生活習慣を改善することで、血圧をコントロールしやすくなります。
運動不足を解消したり、タバコやお酒を控えたり、ストレスを発散させたりなど、できることから始めてみましょう。また、高血圧が心配な方は、医師の診察を受け、適切な治療を受けることも大切です。
※この記事での情報は一般的なガイドラインに基づくものであり、専門医の診断や治療の代わりになるものではありません。高血圧の疑いがある場合は、医師に相談することをお勧めします。
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