筋トレをしている人、ただ痩せるだけでなくきれいなボディラインを作りたいと思っている人は、HMBというサプリの名前を耳にしたことがあるでしょう。

HMBとは必須アミノ酸の一種であるロイシンが作り出す物質ですが、それがどのような働きをするのか、どのような効果があるのか、よくわからないという人もいると思います。

そこで、HMBが体に及ぼす効果を説明するとともに、サプリの選び方とおすすめのHMBもあわせてご紹介します。たくさんのHMBサプリが出回っていますので、正しい選び方を知って自分に合ったHMBを見つけてください。

HMBとは?

  • 筋肉の合成促進
  • 筋肉の分解抑制

という2つの効果が期待される成分です。

体内でロイシンから作られるといってもその量はごくわずかであるため、サプリメントで摂取するのが一般的です。

HMBを作るロイシンとは

HMBを作り出すロイシンについて説明します。

アミノ酸はタンパク質を作るために必要な栄養素ですが、20種類あるアミノ酸のうち体内では合成することができないアミノ酸のことを必須アミノ酸と呼びます。ロイシンは9種類ある必須アミノ酸のうちの1つです。

ロイシンは、筋肉を作る上で重要な役割を担う分岐鎖アミノ酸(BCAA=バリン、ロイシン、イソロイシンの3つ)の一つでもあるため、必須アミノ酸の中でも積極的に摂取していきたい栄養素です。

とはいえ、ロイシンは牛肉などの肉類、牛乳やチーズなどの乳製品、魚介類などに含まれており、普通に食事をしていればそれほど不足する栄養素ではありません。

HMB摂取はサプリメントが効率的

それならば、ロイシンを含むものを食べていればHMBのサプリメントをわざわざ摂取する必要はないのでは?と思われるかもしれません。

しかし、ロイシンから作られるHMBはごくわずか。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の参考資料1によると、ロイシンから変換されるHMBは約5%しかありません。

1gのHMBを摂るには20gのロイシンが必要となりますが、最も多くロイシンを含む鶏むね肉でも、100gあたりの含有量は1,800mgです。

積極的に筋肉を増やしていきたい、エクササイズによってボディラインを整えたいという人にとってはそれだけでは不十分なため、HMBはサプリメントとして摂る方が効率的なのです。

HMBは2種類ある

HMBには、HMBカルシウムとHMB遊離酸の2種類があります。

【HMBカルシウム】

主なHMBの種類。カルシウムと結合しているタイプで吸収のスピードはゆるやか。体内に入ってから1〜2時間後に血中濃度がピークになる。HMBカルシウムはタブレット、粉末などの形状が多く、持ち歩きに便利です。

【HMB遊離酸】

吸収のスピードが速い。わずか30分で血中濃度がピークになるものの、液状製品でありやや高価な点がデメリット。

早く効果を出したい人はHMB遊離酸、ゆるやかでもコスト面や使い勝手を重視したい人にはHMBカルシウムがおすすめです。

飲むだけで痩せるものではない

HMBはサプリメントの形で摂取しますが、「飲めば痩せる」というような魔法の薬ではありません。

あくまでも運動の効果をサポートするものであり、飲んだだけでダイエットできる、理想のボディラインを維持できるものではないことを理解しておくことも大切です。

HMBの2つの効果

HMBは筋肉を作ること、分解を防ぐことの2つの効果があります。

1.筋タンパク質の合成を促進

HMBには、

  • 細胞の成長を促進
  • 筋タンパク質の合成を促進

という働きがあります。

筋肉は何もしないままでは増加せず、運動などによって筋繊維が傷つき回復するときに成長します。

筋タンパク質の合成を促そうとするのが「mTOR」というシグナル伝達経路なのですが、HMBにはこの「mTOR」を活性化させる働きがあるのです。

ですから、運動の前もしくは後にHMBを摂取しておくと筋肉の合成をサポートし、筋肉量の増加に役立つというわけです。

2.筋タンパク質の分解を抑制

もう一つが、筋タンパク質の分解を抑える働きです。

体には、不要だと判断したタンパク質を分解する経路が備わっており、これを「ユビキチン・プロテアソーム系」といいます。

生命維持の観点から、筋肉は骨や臓器ほどの重要性がありません。そのため、筋トレによって増えた筋肉は「いらない」と判断され、筋肉以外の部分でタンパク質を利用するために分解されてしまうのです。

HMBには「ユビキチン・プロテアソーム系」の働きを抑え筋肉の分解を防ぐ働きがあるので、筋肉量の維持に役立ちます。

高齢者の筋力低下を防ぐ

HMBは基本的に運動とセットで摂取するものですが、運動ができない高齢者の筋肉量を維持する働きがあることもわかっています。

2013年に発表された「Effect of β-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB) on lean body mass during 10 days of bed rest in older adults」という論文があります。

健康な高齢者24名に対して10日間の安静、8週間のリハビリトレーニングを行いました。1日3gのHMBを摂取したグループとプラセボを摂取したグループでは、HMBを摂取したグループは体重の減少が防げたという結果が出ています。

筋肉を作るだけでなく、分解を抑制する働きが高齢者の筋肉量維持に役立つなら、病気で寝たきりになってしまった人の筋肉量低下を防ぐサポートもできそうです。

HMBを飲むタイミングや飲み方

HMBは運動と併用していくことで効果が出やすいので、飲むタイミングにも気をつけてみてください。

トレーニングの前後に飲む

HMBカルシウムは、摂取してから1〜2時間後に血中濃度がピークになりますので、トレーニングの1〜2時間前に飲むのが効果的です。

筋トレ中は、エネルギーを得るために筋肉を分解しますので、事前に飲んでおけばHMBの分解抑制作用がいい働きをしてくれます。

また、筋タンパク質合成が活性化する筋トレ後に飲むことで、筋肉の回復を早める働きも期待できるでしょう。

寝る前

筋トレ後は筋肉がダメージを受けていますので、回復を早めるために、寝る前に飲むのもおすすめです。

就寝後の数時間は眠りが深くなり、成長ホルモンも大量に分泌される「ゴールデンタイム」。筋肉が作られるのはもちろんのこと、美肌作りにも嬉しい時間帯です。

寝る前に栄養を補給しておくことで、HMBが筋タンパク質の合成をサポートしてくれます。

目安は1日3g、こまめに飲む

筋トレやダイエットのサポートとしてHMBを摂取する場合の目安量は、1日あたり3gが適当です。

飲む回数ですが、HMBは一度にたくさん摂取してもそれをすべて体内に吸収することはできないので、1日何回かに分けて飲むのが効果的です。

  • トレーニング前
  • 就寝前

など、飲むタイミングを決めておくと良いでしょう。

HMBサプリメントの正しい選び方

HMBのサプリメントはたくさんありますし、値段もさまざまなので、どれを選んだら良いかわからないと迷っていませんか?

購入するときは、以下のポイントをチェックすると自分に合ったHMBサプリメントが見つかるでしょう。

飲みやすさで選ぶ

HMBは毎日飲み続けることが重要なので、「飲みづらい」と感じてしまうと続けることができません。

  • カプセル
  • タブレット
  • 粉末

などの形がありますが、自分が飲みやすい形を選んでください。

おすすめはタブレットタイプかカプセルタイプです。持ち歩きもできますし、粉末と比べるとわざわざ水に溶かす必要がないので飲みやすいです。

サポート成分で選ぶ

HMBだけのサプリメントもありますが、ほかにもサポート成分が入ったものもあります。

たとえば、

  • コラーゲン
  • ヒアルロン酸
  • ビタミン類
  • BCAA
  • クレアチン
  • カルニチン

など、美容やダイエットに良い成分などが入っているものもあります。

もし、ダイエットや筋トレのために複数のサプリメントを飲んでいるなら、HMBとあわせて飲んだ方が楽ですし、コスパも良くなるかもしれません。

継続しやすい価格で選ぶ

毎日続けていくものですから、お財布に優しい価格のHMBを選びましょう。どんなにいいものでも、続けられなければ意味がありません。

商品を選ぶときは容量と価格を見て、1日あたりいくらかを計算して比較してみましょう。1日100〜200円程度なら、ペットボトルの飲み物を1本我慢すれば続けられそうです。

人気のHMBをチェック!

HMBのサプリメントをランキング形式でご紹介します。HMBの含有量や価格から、続けやすいものをピックアップしましたので、ぜひ参考にしてください。

金額については販売サイトによって違いますので、現時点での最安値をこちらに一覧表でまとめました。

商品名Amazon楽天市場ヤフーショッピング
BULK HERO(バルクヒーロー)1,480円1,680円1,280円
HMB サプリメント 鋼2,980円2,980円2,990円
NOW Foods(ナウフーズ) HMB (タブレットタイプ)3,918円4,061円4,282円(送料別)
※2024年12月現在

1.BULK HERO(バルクヒーロー)

  • 価格:1,280円〜1,680円 (税込)
  • HMB含有量:90,000mg配合(1袋)
  • 容量:360粒(30日分)
安心の国内製造HMBがBULK HERO(バルクヒーロー)です。
1日12粒で3,000mgのHMBを手軽に摂取できます。筋力トレーニングをしている人はもちろん、日常生活での動きもサポートしてくれますので、いくつになってもボディラインを維持したいという人におすすめです。
タブレットタイプなので持ち歩くにも便利ですし、飲みやすい大きさなので無理なく続けられるでしょう。

2.HMB サプリメント 鋼

  • 価格:2,980円~2,990円(税込)
  • HMB含有量:90,000mg(1袋)
  • 容量:600粒(30日分)
1日20粒で3,000mgのHMBが摂取できます。
HMBだけでなく、クレアチンやビタミンDなども入っていて、一度に多くの成分をふんだんに摂りたいという人におすすめです。

3.NOW Foods(ナウフーズ) HMB(カプセル)

  • 価格:3,918円~4,282円(税込)
  • HMB含有量:500mg(1粒)
  • 容量:120粒(20日分)
1粒あたり500mgのHMBが含まれていますので、1日あたり6カプセルで3,000mgのHMBを摂取できます。持ち運びしやすいカプセルタイプです。
ただし、1粒で大量のHMBを摂取できるというだけあって少々カプセルが大きめなので、飲みづらく感じることがあるかもしれません。

HMBのメリット

筋トレをしている人やダイエットをしたい人は、HMBを摂取することで効率的に筋肉をつけ、引き締まったボディラインを作ることが可能です。

筋肉量を増やすことができる

筋肉は、筋繊維を一度壊すことで成長するものですが、その成長をサポートしながら、筋肉が分解することも防ぐHMBを摂取することで、ただ運動するだけよりも効率的に筋肉量を増やしていくことができます。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」によれば、1日3gのHMBで筋肉量の増加が期待できるとあります。

サプリメントを継続して摂取していれば、運動の効果が早く実感できるでしょう。

痩せやすい体質を作ることができる

筋肉の量が増えればそれだけ基礎代謝がアップします。年齢とともに基礎代謝が低下することで痩せにくくなっていきますので、HMBで筋肉量が維持できればダイエット効果も得やすくなります。

食事を抜いてただ体重を落とすような不健康な痩せ方ではなく、適度な筋肉をつけて健康的かつきれいに痩せていくことができます。

代謝をあげることで痩せやすい体を作るので、リバウンドもしづらいです。

HMBのデメリット

HMBのサプリメントもお手頃価格で、継続もしやすいですが、効果を実感できるまでにある程度時間がかかります。

HMBのサプリメントを摂取してすぐに痩せるというものではないのです。筋肉に負荷をかけて傷ついた時の回復をサポートするものなので、全く運動をせずにHMBだけを飲んで痩せると思っていると、「効果が感じられない」と思ってしまうでしょう。

また、HMBはもともと体内にある成分ですので、サプリメントをたくさんとっても副作用などはまず起こりませんが、だからといってたくさん飲めば痩せるというものでもありません。

ある程度運動をしている人が、継続して摂取することで効果を実感できるものなので、人によっては全く効果が感じられないということもあります。

HMBは筋肉の合成をサポートする!

HMBは必須アミノ酸の一種であるロイシンが体内で合成する成分です。筋肉を合成したり、筋肉の分解を抑えたりする働きがあります。

ロイシンは肉や魚、乳製品などに含まれていますので、普段の食生活をしていればそれほど欠乏する栄養ではありません。しかし、筋肉の量を増やしたい人にとっては、日々の食事で得られるロイシンだけではHMBの量が不十分なため、サプリメントで摂るのが一般的です。

今回は、おすすめのHMBサプリメントをランキング形式で5つご紹介しました。価格やHMB含有量、商品の特徴などを比較して、自分にあったものを見つけてください。